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パン屋さんのカフェに行ってきた。

某ショッピングモールのパン屋さんに行ってきた。パンを買いにではなく「エスプレッソを飲みに」である。
ブーランジェリーカフェとでも言う形態なのか、パン屋の店内にイートインスペースがあり、本格的なエスプレッソを提供しているのである。
最近のパン屋はサービスで無料コーヒーを出すところがある。
パンを買って、店先のテーブル(あるいは店内のテーブル)で「サービスのコーヒー等」とともに食べることができるのだ。
どこの誰が始めたサービスなのか知らないが、消費者にとっては迷惑極まりないサービスだ。
(と、気がつかないスイーツな人達が喜んでこういう店に行き、コーヒーが無料だと言って得をしていると思っていることが、こういう迷惑なサービスを悪びれずに行う店を増やす原因だ)
コーヒーは、お客さんにとっては無料かもしれないが、店にとっては無料ではない。当たり前だがコストがかかっている。つまり、そのコストはパンの値段に上乗せされているはずだ。
店としては、コーヒーをサービスで出せさえすれば、少し頭の悪いお客さんが喜んで買いにくるので、コーヒーの質などこれっぽっちも問わないだろう。ただ茶色いコーヒーのようなお湯がポットに用意できればそれでいい。
つまり、どれだけ美味しいパンを提供しようが「パンを買えばタダのコーヒーを飲みながらのんびりできる、なんてオトク」と考えるお客さんは、せっかく精魂込めたパンの味すらコーヒーによって損なうことが明白であるにも関らず喜んでいるわけだ。そんなコーヒーを有難がるお客さんは(あえて言えば)バカ舌なわけで、美味しいパンを提供する意味がない。つまりは、パンにかけるコストをもっとカットしたところで問題無いわけで、わざわざタダのコーヒーを飲むために(彼らにとっては)無駄に高いパンを買っているということになる。
では「美味しいパンを買いにきたワケでそんなコーヒーは進んで飲む気はしないよ」という層にとってはどうだろうか。飲みもしない(しかもとても不味い)コーヒー代がパンの勘定に上乗せされているとなると、穏やかではないだろう。
どちらのお客さんにとっても、無駄にコストを負担しているわけで、良いシステムとは思えないのだが、どうやらこんなことを考えるのはごく少数と見えて、サービスのコーヒーを出す店はどんどん増えている。
さて、今回のパン屋は偉いことにきちんとしたエスプレッソを提供しようという姿勢である。
Mazzer(Kony)とLa Marzocco(FB70)を使用している。しかも、注文を受けてから一杯分づつグラインドするという、およそパン屋のイートインコーナーとは思えない手間のかけようだ。
惜しいのは、提供が全て紙(アイスはプラ)カップとなること。イートインの場合は陶器のカップを使用できないものか。
(ちなみに、通常カップウォーマーとして使用されるマシン上部には、紙カップが山積みになっていたので、思わず、紙をあっためてどうするんだ、と突っ込みを入れたくなった)
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さて、肝心のエスプレッソだが、本当にこういう言い方は失礼なのだが、パン屋と思えないほどちゃんとしていた。
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色が薄いが層も薄いというクレマ(ケータイのカメラが悪いのか、ちょっと実際より写真が濃くなってます)はかなり焦げ味が強い。
ローストが少し深いかなと思うけど、そう悪い味じゃなかった。焦げ味が少し強く、豆自身の特性は分かりづらい感じだったけど、後味も悪くはないし、もう少し浅煎りでもいいかもと思うけど、パン屋でこれを出されたら、普通のカフェは脅威かも知れない。何しろ、パンという集客できる武器があるのだから。
異業種からの参入や、ほかの業態に喫茶を付けるという店、つまりコーヒーで勝負していない店のエスプレッソがこういう水準で提供されるようになってきたのだな、と思った。
少なくともこういう店のはるか上のレベルで提供できなきゃならん!
と、自分に活。


Published in カフェ屋さん

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