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絶対に長く続くつもりのカフェ開業 シリーズ 開業準備のための準備編2

前回に続き、開業準備を始める前に準備しておいたほうが良いこと、という話です。

開業準備に入る前が勉強のチャンス

いざ開業ということになれば、もう準備が大変すぎて勉強している暇なんか無くなってしまいます。開業したらしたで最初のうちはわけもわからず時間が過ぎ去っていき、これまた勉強する時間なんか取れなくなってしまいます。なので、まだ開業準備を始める前、今が勉強のチャンスです。しっかり知識をつけて開業の準備に備えましょう。

簿記3級程度の知識

個人事業主で始めますという場合でも、いずれ必要になる知識です。というかそもそも最初から複式簿記にしたほうが良いですから、個人事業(法人ではない)でスタートするにしてもしっかり帳簿をつけましょう。

簿記3級のテキストを通読するくらいで大丈夫です。しっかり読んで、簿記とはどのようなものかを理解しましょう。細かい仕分けなどは都度検索すればいいので、丸暗記しなくてもいいです。簿記(複式簿記)の仕組みを知っておきましょう。また、PL(損益計算書)とBS(賃借対照表)を読めるようになりましょう。

簿記2級では工業簿記も勉強しますが、もし将来的に製造業になりたい(例えば食品工場を作り焼き菓子製造や缶入り瓶入りドリンクの製造、あるいはグッズなどを製造するなど拡張していきたいというような場合)という目論見があれば、工業簿記も勉強して損はないと思いますが、カフェであれば商業簿記だけで大丈夫でしょう。なお余談ですがいわゆる自家焙煎店はサービス業ですので商業簿記でいいと思いますが、焙煎コーヒー豆の製造、卸、小売という形態になりますと製造業という区分になります。こうなると工業簿記の知識もあったほうが良い、と思います。

開業前に簿記を勉強しても、いまいち現実味がなくて単なるお勉強に感じてしまうかもしれません。しかし、実際にカフェを開業しようと思ったらまず開業準備の段階ですでに簿記の知識が必要になってきます。すごく簡単な例ですが、インターネットを契約して(通信費)、冷蔵庫を買って(資産=償却が必要)、コップを買って(消耗品)、小麦粉を買って(仕入)とたくさんお金を使うことになります。ぜんぶ違う目的があって買うわけですが、それらを全部、単純に「費用」としてしまうと原価計算もできなくなりますし、足りないお金を自分の貯金から出したり(事業主借り)、自家用車を営業用にも使う(費用の按分が必要)など、事業で使ったのか自分が個人で使ったのかがあいまいにならないようにしないといけませんよね。

ですから、開業しようと思ったときに簿記の勉強を始めるのでは遅いのです。開業準備をしようと思ったときに簿記を勉強しておきましょう。

なお、資格を取るかどうかはあまり重要じゃないので、勉強だけして資格を取らないというのもアリだと思います。しかし、せっかく勉強したのだから、ということで資格を取っておくのもいいと思います。

というわけで、簿記3級のテキストと問題集を回して、合格を目指すというのも良いのではないでしょうか。

日商簿記は王道資格であるため、テキストが多く目移りするかと思いますが、売れてるものならどれでもいいと思います。参考までにこちらをおすすめしておきます。

オンラインで、無料で勉強できるCPAラーニングもおすすめです。無料で講義動画が見放題という太っ腹なサイトですが、上級資格へチャレンジするときに有料になるので、いわゆるフリーミアムモデルという形でしょうか。簿記2級までなら動画は無料ですし、ほかにも役立つ動画がたくさんあります。僕も登録しています。

https://www.cpa-learning.com/

英語

最低限、挨拶と会計と送り出しくらいの定型的な会話ができるほうが良いでしょう。できれば、注文のときに軽い日常会話ができると外国からのお客さんも喜ぶと思います。

いまや、日本中どこにいてもインバウンド相手のビジネスが避けて通れない状況になっています。好むと好まざるにかかわらず、英語を使う機会が増えています。英語を勉強しましょう。

具体的にどのくらいのレベルかという例を上げてみます。

中学の文法は覚えてる、教科書に出てきた単語もまだいくらかは覚えてるという程度でも、お客さんに「今日はいい天気ですね。これが英語のメニューです。支払いは現金かカードが使えます。店内でご利用ですか?」くらいは言えます。ただし慣れてないと聞き取りがぜんぜんできませんので、会話は不成立です。英語の歌や映画、ドラマなどで英語を聞く機会はあっても何言ってるかちんぷんかんぷんだ、という人もここに入るでしょうか。まずは日常英会話みたいな本を読んで会話例を丸暗記するといいでしょう。定型的なやりとりを覚えこむと、それこそ定型的な会話であるカフェでの注文や天気の話などができるようになります。

次に、街角で外人に道を聞かれたらとりあえず目的地がどこなのか聞けてそこまでの行き方を最低限案内できるというレベルでは、お客さんと挨拶、そして注文を聞き、一言くらい天気について会話ができるかもしれません。キクタンやDUOでボキャビルしながらリスニングを鍛えると良いでしょう。ボキャブラリーテストのサイトで語彙数をチェックしてみてください。3,000もあれば十分、店員とお客さんの会話はこなせます。

もう少し英語力が高い人、ボキャブラリーテストで5〜6千ほどある人は、リスニングでナチュラルスピードの英語が聞き取れるようになると、難しくない会話はこなせるようになります。例えばイギリス人となら、三笘選手や遠藤選手を引き合いに出してサッカーの話で盛り上がることができるでしょう。

なぜ英語で接客できると良いのでしょうか。現代ではスマホで翻訳できますので、メニューもカメラで写して翻訳、会話もスマホで翻訳ということが可能です。しかし、ほとんどの日本語が話せない外国人は旅行者です。その人たちは日本に来て日本文化に触れ、日本食を堪能し、日本の景色を楽しもうと思っています。しかしながら旅行のために日本語を習得するのは難しいでしょう。言葉がまったく不自由では、日本の旅行の楽しさが目減りしてしまいます。そんな旅行中に、少しでも英語で話しかけてくれる人がいたら、たどたどしくても説明や案内を英語でしてくれる人がいたら、どれほど旅行が良い体験になるでしょうか。まさに、英語で対応してあげることがプライスレスなのです。

手始めに、スマホでスキマ時間に英語やそのほかたくさんの外国語を学べるduolingoをおすすめします。

https://ja.duolingo.com/

1年かけてレベル80〜90くらいまでがんばるといいかなと思います。

レベルに合った勉強をしたいというときに、客観的に自分のレベルを測るには、こちらのサイトがおすすめです。

レベルがわかったら、それに合ったテキストなり単語帳なりをやりましょう。

英語に自信がないなあ、と思う方は、DUO3.0をどうぞ。これ一冊でかなり力がつきますよ。

科学リテラシー

アメリカの国立教育統計センターによると、科学リテラシーとは「個人としての意思決定、市民的・文化的な問題への参与、経済の生産性向上に必要な、科学的概念・手法に対する知識と理解」であるとされるそうです。

もすこしわかりやすく言います。「何かの実験をする」というときに実験することの意味や方法を正しく理解でき、妥当な方法を用いて誰もが検証可能な実験ができること、また何かの実験についてそのような考え方で捉えることができること。推論や帰納法など論理的な方法を用いて議論すること。ある情報の妥当性を分別をもって誰かと話し合うことができること。です。

噛み砕いて言います。やろうとすることややってること、見聞きしたことなどを誰かに説明するときに「なんとなく」や「みんなそう言うから」とか「直感ではこうなる」とかはたまた「昔からこうだった」「「YouTubeで見た」「週刊誌の見出しになってた」みたいな根拠で意見を押し通すようなことでは駄目なんです。やろうとすることややってること、見聞きしたことを誰かに説明するときに「その根拠は科学的であり、論理的に証明されいてる」や「科学者、科学をベースにした専門家、その分野の専門家の中でマジョリティの人の多くがその説を支持している」とか「客観的にそうなるしかない」とかはたまた「最新の研究によると」「論文で読んだ」「どの専門書でも同じことが書かれてる」というような態度が良いわけです。そして大事なのは、対象のものごとについて、違う意見の人が科学的に正しい態度である場合に、お互いの意見を戦わすことができる柔軟さを持っているということです。

いくつか、参考になる本を置いておきます。

経営学

カフェを開業するというのは、カフェという事業を管理し、継続的に運営していくということの、スタート地点に立つということです。事業は個人事業という場合も、企業(株式会社や合同会社など)になる場合も、あるいは非営利団体(NPOなど)ということもあるかもしれません。しかし、いずれにしても、カフェを開業するというのはそのカフェという事業を長い目で見たときに、ただスタート地点であるに過ぎず、カフェを開業した人(あなたです)の主な役割は、そのカフェという事業を管理し、継続的に運営するということになります。そしてその「事業を管理し、運営する」ということを一般的に「経営」と言います。

カフェとは、ひとつの会社のようなものです。例えば、あなたが一人でカフェをやっているとしましょう。

いろんなことの最終決定をする人=最高責任者 あなた

お客さんに来てもらえるような、知ってもらうような活動=広報部 あなた

新メニューや季節メニューの考案=研究開発部

食材や消耗品を補充する=購買部 あなた

下ごしらえしたり料理したりコーヒー淹れたり=製造部 あなた

料理やコーヒーを運び、接客する=営業部 あなた

レジ締め、支払いなどお金の管理=経理部 あなた

SNS運用やウェブサイト運営、ネットショップの管理=情シス部 あなた

というように、一人でカフェを運営するというのは大変なマルチタスクを要求されるわけですが、これらをいくつかの要素に分けてみますと、

経営部門(最高責任者、購買部、経理部、情シス部)

技術部門(研究開発部、製造部)

営業部門(営業部、広報部)

となりますでしょうか。

お店の営業時間内では主に技術部門と営業部門の役割が多くなるわけですが、これを会社として見てみたら技術部門と営業部門だけで会社が回るわけはなく、いわゆるバックオフィスと意思決定が会社運営において非常に重要であるのは言うを待ちません。同じようにお店を運営するにもあなたの中の経営部門が大変重要になってきます。お店を始める前に経営学を学んだほうが良異理由です。

このような入門書を通読しておくと良いと思います。

経営学では企業というサイズで論じられることが多いため、ちょっとピンとこないことも多いかと思いますが、大小はあれど大企業も個人事業もひとつの事業体を運営することに変わりはありませんので、経営学を一通り勉強しておくのは良いと思います。


長くなりましたが、開業してしまうとなかなか勉強する時間も取れないかもしれませんし、ベーシックなところだけでも掴んでおくと良いだろうと思います。

これらの勉強に手を付けてみて、もし興味を引くものがあれば深掘りしていくといいかもしれませんね。


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