僕がコーヒービジネスを始めて役に立たなかった5つのこと(実例付き)

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僕がコーヒービジネスの世界に飛び込んだのは4年と少し前。
自己啓発本や偉人の言葉、ビジネスの先達からの教えなどさまざまなものからビジネスのヒントを得、そして行動してきた。その中で僕が経験した「役に立たなかったこと」を厳選して5つ紹介します。

1.商品やサービスの情報は余すところなくお客様にアナウンスする

情報の公開はとてもいいことだ。ビジネスに透明性があることは非常に大事な要素である。
しかし、お客様はお店にコーヒーを飲みに来ているわけである。豆の産地から品種からその輸送や保管方法から焙煎方法抽出方法何から何までお客様は知る必要があるのか、知りたいと思っているのか。バリスタとナイスなトークをしたいと思っているお客様も常にコーヒーについて話したいというわけではなかろう。

(実例)すべての情報を余すことなくお客様に伝えようとコーヒーのメニューにその日使用しているコーヒー豆についてA4一枚に情報をまとめ、お客様が読めるようにし、なおかつコーヒーを待つ時間にもコーヒーの説明をした。しかし、それを読むお客様はほとんどいなかったし、たいていのお客様はそのメニューを読むことを面倒臭がった。もちろん僕の説明も余計なお世話だった。以後、必要であれば情報を提供する形にした。

2.頼まれればどんな仕事でもやる

コーヒー屋をやっているといろんな声がかかる。移動カフェのときは「ここで出店してよ」とか「イベントがあるから来てよ」とか。路面店を構えてからはコーヒーをサーブするか、コーヒーを教えて欲しいとかそういうのが多い。大がかりな話だと「いい条件出すからここに支店出して」とか(そんなホイホイと出せるわけない)。
サンシャインステイトエスプレッソの屋号でビジネスをスタートさせたときに、どんな仕事でもやってビジネスを拡大していこうと思っていたのだけれども、それは間違いだと途中で気が付いた。どんな仕事でもやる、と思っているということは、その仕事に大した期待もされないし、専門性も無いということだ。
(実はなんでも受けるというのは間違いだと気が付いたのはけっこう早い段階で、この点についてはあんまり失敗していない。SSEがやってきた仕事は、初期のいくつかを除きそのほとんどが発注者とお客様と僕らがそれぞれに満足いくものだったと思っている)

(実例)とある地域のお祭りに呼ばれたのだが、明らかに場違いでコーヒーは売れず気分はクサるし豆もミルクも盛大に無駄にしてしまった。自分のビジネスの特性が生かせない仕事は、発注者、お客様、そして自分の誰もトクをしない。

3.海外のコーヒー屋さんの素晴らしいアイデアを真似(パク)る

まず、パクるのは良くない。パクるまでいかなくても真似るのは居心地が悪い。それを踏まえての話だが、場所が違えば文化が違えば、真似たところで益は少ない(あるいは逆に害がある)ということだ。その文化、土地の歴史、そこにいる人、いろんな要素があってそのアイデアが生きているわけで、アイデアだけをいただきてきてもそれが生きるとは限らないわけよね。

(実例)メニューの表示を(当時話題になった流行の)海外のカフェと同じシステムにした。そもそも日本ではなじまない単位を使用した上、メニューの説明自体が外国風すぎてお客様が混乱してしまい、すぐにやめた。かっこよかったんだけどね。あ、それとなんでも英語がかっこいいと思ってやたら英語を使ってた時があったんだけどこれもお客様が混乱するのでやめた。どうしても英語を使わなければならないもの(例えばメニューでフラットホワイトと書くとか)は、わかりやすい説明を添えることにした。

4.お客さんの要望に応える

もしお客様全員が異口同音に「こうしてくれ」と言ったって、そうするかどうかは自分が判断すべき。お客様が望むものを提供するのではなく、お客様が望んでいる以上のことを当たり前にしてあげるのが仕事だ。お客様がいつか「この店に来てよかった、ここのコーヒーを飲んで良かった」と思うような商品やサービスを提供しなくてはならない。「ここのコーヒーで人生が変わった」ということがあれば望外の喜びだ。しかし、そう思われるために必要なのはお客様が望むものを提供することだろうか? いや、お客様がいま望むものよりもっと素晴らしい何かを提供することだ。そのためには、お客様がいま必要としていることを実現するということの優先順位をいたずらに上げるべきではない。

(実例)お客様から要望のあるメニューを増やしていった。メニューは充実したがなんの店かわからなくなる恐れが出てきたため、結局元通りになるまで削減する羽目になった。お客様のことを思って、お客様の言うことは聞かない。これが大事だ。

5.自分を立派に見せる

あーもう間違いない、これはダメ絶対。どんなによく見せようとしたってバレちゃうものよ。「ええ僕のビジネスは吹けば飛ぶほど小さいですが、僕ができることもたいしてありませんがそれが何か?」くらい、堂々としましょう。自分や自分のビジネスをいくらリッパに見せようとしても、どうせ見りゃわかっちゃうんだよね。

(実例)移動カフェが軌道に乗って、気を良くした僕は「移動カフェのコンサルの仕事やります」とふれまわったんだけど、もちろんポッと出の移動カフェ経営者にそんなコンサルを頼む人などおらず早々にカンバンを下した。学習能力の低さか、この失敗は形を変え何回も繰り返した。何か自分にできることが増えると「その道の専門家でござい」と浮かれて仕事の幅を広げようとしたり、本当の専門家と同じようなふるまいをしたりするんだけど、その都度、実は付け焼刃で粋がってるだけの青二才だとすぐにメッキが剥げたのを自覚して、もとの自分に戻るというのを、もう何回繰り返したことだろうか。

というわけで、僕がコーヒービジネスを始めて役に立たなかった5つのことをご紹介しました。役に立ったでしょうか?(ややこしい)

来週は、この逆で「役に立った5つのこと」をお届けする予定です。お楽しみに!


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