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営業についての独り言。

先日、いつも行くカフェのバリスタさんからこんな質問が。
 「営業の秘訣って何ですか?」
サラリーマンとして十ウン年営業をやってきた経験と、各種セミナーや書籍等から得た知識でいろいろとお話させてもらった。
その時は「こんなハナシで役に立てば」と思って話をしていたが、自分が今後カフェをやるにあたって、意外と侮れない内容のハナシだなと思うので整理してここに書いておこうと思う。
ま、自己啓発本あたりによく書いてあるハナシなんだけどね。
営業についての大前提と言うか、営業の核心となる概念は、コレである。
営業とは何かと言うと、モノやサービスなどを売ることである。
なぜ営業が必要かと言うと、モノやサービスが売れないからである。

営業にまつわる全てはこれだ。売れないものを売ってくる、それが営業ということである。つまり、営業の方法論は全て、売れないものをどうやって売るかということに尽きる。
ただし、売れない理由が商品に魅力が全く無いから、というのは困る。少なくとも同じジャンルの商品がいくつか並んでいたら、何割かの人がそれを選ぶという程度に商品力があることが前提だ。
もし商品力が無いのであれば、改良するか、でなければ商品を替えたほうがいい。商品力が無いものを苦心惨憺して売る努力をするくらいなら、顧客のために商品力を上げるか、でなければ顧客が望むようなものを用意するほうが建設的でいい。
ところで、売買というのはこちらのモノ(やサービスなど)と相手のお金を交換することである。どちらも自分が持っているもの(モノやサービス、お金)より価値があるものと交換するわけだから、本来どちらも「得した」と思うのが当たり前なのである。すなわち、win-winの関係である。
しかし、世の中を見渡すと、そういう動機で営業をしている人は少ないのではないかと思う。
慈善事業じゃないんだから、相手のことなんか構ってられるか、というのが本音ではなかろうか。
売れないものを売るのが営業、という前提では、お客様に多少無理しても売りつけるのが営業の仕事だと思うかも知れない。しかしそれは間違いである。
win-winの関係というのは、良好な継続性がある。
取引で「私」がwin-loseの関係のwin側になった場合、lose側は同じ取引相手(つまり「私」)に対して「次は自分がwin-loseの関係でwin側になってやる」と思うか「損したからもう取引しない」と思うかのどちらかである。継続するとしても「食うか食われるか」であったり、継続そのものを打ち切られたあげく、ヨソで良からぬウワサをされたりするような後味の悪い取引を一回だけするかだったりといいことはない。
そしてwin-loseの世界では勝ち続けるプレイヤーはどんどん減っていく。新たに参入するプレイヤーも勝てば居続けるが負ければサヨナラだ。
win-winの関係はそうではない。取引自体が相手の得になっているため、常に相手は「私」に対して「また取引したい」と思うし、ヨソで「私」との取引は得だよとウワサしてくれるのだ。もちろんwin-winの世界ではどんどんプレイヤーが増えていく。しかも、win-winの関係を求めるプレイヤーだけが増えるのだ。こんないいことはない。
なぜwin-winの関係を求めるプレイヤーだけが増えるかって? もしwin-loseを求めるプレイヤーがいても、この世界の住人は彼と取引をしたくないから、結果的に彼はこの世界に住み続けることができないからだ。
売りつける、などというのは愚の骨頂である。結果はwin-loseの関係になるだけだ。win-winの関係に売りつけるなどという取引は無い。win-winの関係では常に取引は「相手が欲しいと言うから売る」である。
営業の秘訣は顧客とwin-winの関係を築くことだ。
高いと言うなら安くすればいい。
納期が遅いと言うならすぐ届ければいい。
色が気に食わんと言うなら塗り替えてあげればいい。
少し小さいと言うなら少し大きくしてあげればいい。
・・・もちろんできる範囲で。
顧客は喜んで「私」からモノを買うだろう。なにしろ顧客は得をするのだから。では損するのは誰だ? 私が損をしている?
いや違う。顧客が本当にwin-winの関係を築きたかったら、私にも花を持たせることを忘れないはずだ。もし私が損をしていたらそれは顧客にとってwin-loseの関係になり、私は2回目の取引で彼から損を取り戻そうとするか、でなければ彼とは二度と取引しないと思うか、のどちらかだからだ。
では最初に戻る。
売れないものを売ってくるのが営業である。
ここにはある程度の商品力があるモノがある。しかし、積んでおいても行列が出来るというほど売れているわけではない。むしろもっと売れる可能性があるのに、なかなか売れないでいる。
Q 営業がすべきことは何か。
A win-winの関係を求める顧客に対し、どうやったら顧客が得をするかを考え、実行する。
その顧客によって何か得になるのかは違うだろうから、具体的には顧客ごとに考えなきゃならない。しかし、自分の都合で売る姿勢を改めて、顧客の身になって考えるだけで売れるようになることは、間違いない。


Published in 雑記

3 Comments

  1. vararaika vararaika

    『ビジネスは恋愛だ』と以前、私が勤めていた会社の社長が言っていました。同じことのように思います。最近、この言葉の意味が解るようになってきました(^_^;)
    先日、日本サエコ株式会社さんのエスプレッソセミナーに行ってきました。ますますカフェ開業の夢が広がり、決意も生まれました!

  2. カプッチオ カプッチオ

    ビジネスは恋愛ですか~
    いい言葉ですね。メモっときます。
    エスプレッソセミナーっていろんなところでやってるんですね。サエコでセミナーをやっているということを今ネットで調べて知りました。
    私はいま、ローストについて勉強したいなと思ってます。どっかのセミナーに行ってみようかな。

  3. カプッチオ カプッチオ

    基本的にハイテクに強い管理人なのですが、ケータイだけはちょっと苦手で・・・
    vararaikaさんのページ、やっと見れました。
    ほっこりという記事のカップはチョコシロップでしょうか?
    ほかの記事も見てみますね~

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