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SCAJ初級カッピングセミナー

先月の30日に丸山珈琲のスペシャルティコーヒーセミナーに出た。ツイッターのオフ会の様相もあったのだが、そこはそれ、スペシャルティコーヒーについて真剣に学んできた。
産地から日本に来るまでの沢山の段階にそれぞれ関わる人たちがこれだけこだわって、工夫して、努力して、きちんとまっとうな仕事をするからスペシャルティコーヒーというのはうまいんだなー、というのがわかった。
で、知識が深まったところで今回、その評価の実践、つまりカッピングに関するセミナーを受講した。
うまいなー、というだけではなく、どううまいのか、どのくらいうまいのかということを定量化するのがカッピングである。
そのカッピングのやりかたの基礎を教えてくれるのがこれ、初級カッピングセミナーである。
定員24名ということだったのだが、参加者多数ということでなんと36名の参加者によるセミナーとなった。だいたいはコーヒー業界のどっかにいるひとのようだったけど、中には全然業界にいないのに趣味のために受けている人も。
まず、講師によるスペシャルティコーヒーの説明とカッピングの説明がおよそ1時間、これは座学である。
きっちりとSCAJのオフィシャルな説明を聞けるわけだが、これだけでも出る価値があるなあ、と思った。
スペシャルティコーヒーの話は写真を見ながらの説明。
カッピングは、写真と動画も駆使しての説明。カッピングの手順や、シートの記入の仕方、評価の基準などなど。
そしていよいよカッピングである。
カッピングは4サンプルを3セット。
一回目→A,B,C,Dのサンプルをブラインドで。
二回目→同じ4サンプルを並べる順を変えて。
三回目→サンプルのうち一つを入れ替えて。
ホゼはカッピングをしたことがあるといえばあるのだが、お世話になっているロースターさんとこでやった経験があるだけで、こんなに知らない人がいっぱいいるとこでやるとなるとものすごいキンチョーである。
まずは第一回目のカッピング。
スペシャルティが2種類(COE入賞豆だそうだ)、コマーシャルが2種類。テーブルに4人ずつでカッピング開始である。
ドライでアロマをチェック、お湯を注してもらってまたチェック、ブレイクしてまたチェック。
粉を取り除いてさあカッピングをするわけだが、なにしろ舞い上がってるし緊張してるしで
味 が わ か ら な い !
のである。もうぜんぜん何がなんだかわからないw
1番から始めて4番までを3回くらいぐるぐるとすすっても全然同じに思える。というかどれも味がしない。そうなると余計にアセるわけで、アセれば余計にわからなくなるという悪循環に陥り、カッピングの恐ろしさを身をもって思い知ったわけである。
さて、アセってばかりいても多少の味の差がわかるのがあり、一つだけはいやにマズい。これは無い。そしてもう一つがやたらうまい。これは間違いなくスペシャルティ。そして残る二つの区別が難しい。片方は印象に残らない味、片方は印象に残る味なのだ。えーどっちがスペシャルティ?困ったぞ、とその二つを何往復もして味を比べたのだが、やっぱりよくわからない。味が印象に残るほうがスペシャルティなんじゃないかと傾きつつあるところで、助っ人登場である。ボランティアで来ていた人のうち一人が懇意にしている方で、僕にひとつのヒントをくれた。
「後味が悪いのはだめ」
おー、そうですか!と、もう一度よく味を確かめてみる。
印象に残る味というのは、どちらかと言うとよくない味じゃないか!!というわけで印象に残らないほうの味をよく確かめると、悪い味がしないしあとから印象が強くなってきているではないか!!
かれこれ30分くらいカッピングして、一回目のカッピングの成績発表は、スペシャルティはどれ?というもの。
「Aがスペシャルティだと思う人~?」
というような感じで4サンプルを聞かれて、それぞれ挙手をするのだが、スペシャルティとコマーシャルを取り違えた人が5、6名ほどいた。幸い僕は正解の方に入れたのだが、すんごく迷いまくったのでシートに点数を記入できたのが、迷わなかった二つだけ。迷ったほうはスコアは付けれなかった。
ほかの人はそれぞれの豆の印象を聞かれて、色々と表現していたのだが、僕は全然そういうアロマやテイストの表現ができるほど余裕が無く、スペシャルティの一つは「明るい酸がある。だからスペシャルティ」もう一つは「後から甘み、しっかりした質感を感じたけどイマイチこれだという特徴が無い。でもたぶんスペシャルティ」。コマーシャルの一つは「すごくグラッシー。これは無い」もう一つは「パンチがある味に思えるけど、後味がザラつく。たぶんコマーシャルだよなぁ」という評価。ぜんぜんカッピングになってない。わはは。
一回目のカッピングが終わるとお昼タイム。
近所の焼き鳥居酒屋がお昼にやってるメニューで持ち帰りの親子丼があったので、それを買って控え室にてランチタイム。
同席したのはツイ友が二人、そこにたまたまいた東北方面のバリスタ君一人の僕をまぜて計4人。いろいろ情報交換しながらのランチは楽しかったです。
さて午後の部。
二回目のカッピングは、一回目と同じ豆で並び順を変えてある。
さっきと同じ豆だから、さっきの味を覚えていればすぐ正解は導ける・・・はずだ。一回目のカッピングで講師や参加者のみんなが言ってたプロファイルを探してみようっと。
今度はちゃんとスコアをその都度書き入れる。良ければ6点を基準に、悪ければ4点を基準にする。四つのカップを8回グルグルとまわると全部のスコアが埋まる。気が付いたことがあれば書いて、ちゃんとプロファイル的なことも自分なりに書いて、点数を出す。
二回目の発表は、2番と4番の豆の点数と、クリーンカップとスイートネスの評価を見る、というもの。
午前にさんざん味をみた4つだけあって、この回の発表では間違った人は一人も出なかった。ただ、表現は人それぞれでいろんな意見が出てて面白かった。僕は・・・正解は正解だったんだけど、やっぱり表現がうまくないぞ。というか全然表現できてないぞ。
さて、講師がこんなことを言っていた。これは僕も最初のカッピングで陥った罠である。
「味が強いというのと味が良いというのは違います。強いというのは強いと認識したらそれはそれで置いといて、その味自体が良いかどうかを判断しなければなりません。味が強ければ悪い味であっても印象に残ります。普段コマーシャルコーヒーを飲んでいる人がスペシャルティを飲むともの足りないと感じる場合があるかもしれません。スペシャルティコーヒーの評価基準に照らして、もの足りないものが得点が高いということがあることを知らなければなりません」
あーそうです。その通りです。僕は味が強いものに引っ張られてしまいました。いい味なら強いほうがいいでしょうが、悪い味が強いというのは印象に残りますがそれはダメなんです。
さあ、それを踏まえて三回目のカッピング。
こんどは前回までの4サンプルのうち、一つを抜いて新しい豆を一つ入れるのだ。
つまりこの4パターンが考えられるわけ。
・スペシャルティを抜いてスペシャルティを入れる
・スペシャルティを抜いてコマーシャルを入れる
・コマーシャルを抜いてスペシャルティを入れる
・コマーシャルを抜いてコマーシャルを入れる
4択だけに迷ってしまう。そしてこれが出題者の「罠」だったのだ。
実は抜けたのはコマーシャルで、新たに加わったのはスペシャルティである。しかし、問題なのは最初からあったスペシャルティ2種よりも美味しい豆を加えたということだ。
そうすることで前二回でスペシャルティのうち印象に残りにくいほうを、より順位を(得点を)下げてしまうことを誘発しているのだ。
そして、その罠にはまった人が多数出た。
新しく加わった豆は文句なしに美味しくて、みんなその評価が高かった。次に前二回で明るい酸を評価されていた豆が次点の評価だった。ここまではいい。そして最下位は最初からダメ出しされていたグラッシーなヤツ。これも問題ない。
問題なのは残る一つだ。この豆、二回目のカッピングでは全員スペシャルティとして認識していた豆である(二種類のうち地味な方)。
しかし今回、4対6くらいの割合でコマーシャルと判断した人がいた。美味しいのが上に来たから、自然と下方向に押し出されてしまった格好だ。僕はなんとか正解にたどり着いたのだが、結構票が割れていたため、正解がわかるまで結構ドキドキしてしまった。
正解と言えども全然表現が出来てなく、シートにはなんだか簡単な単語だけ並んでたのは秘密だw
最後に先日のロースターチャピオンシップ(だっけか?)出場豆のカッピングをして終了。これはエキシビジョンなので、総合点で最も高得点なヤツに投票するというもの。
これが同じ豆で同じ焙煎度にそろえてあるんだけど、ロースターさんによって味が違うのである。面白い。
そしてこれにてセミナーが終了した。一応、三問とも当たったは当たったのだけれども、味の分解と表現方法について、ものすごく問題があることを思い知った。
カッピングセミナーでて良かったなーと思ったのは、自分の足りないところを見つけられたってことかな。なにしろ経験値がぜっっっんぜん足りてない。やるしかないなー。


Published in エスプレッソ技術

4 Comments

  1. chigiri chigiri

    カッピング面白そうですね。
    自分はコーヒーの味をうまく表現できないんで、そういう勉強はすごい興味あります。
    「趣味のために来てた人」に混ざってセミナーとか受けてみたいですねw

  2. ホゼ ホゼ

    いやほんと勉強になりましたよー。
    そんでもって趣味の人がけっこういたのにもびっくり。こういうの出るのって業界人ばかりじゃないのねー。
    味を見分けることだけに特化したようなセミナーだったんで、難しいところがありましたが、とても勉強になりました。カッピング、面白いと思うまでは道のりが長そうでw 今は面白さより難しさのほうが先にきてしまいます。
    せっかく大阪にいるなら、SCAJのセミナーなら大阪会場もあるので出てみたらいいと思いますよ!すんごく勉強になりますから!

  3. 藤野宏栄 藤野宏栄

    初級カッピングセミナー、本日東京まで行ってきました。私も初めてでして上記の体験まったく同じでした。1回目のカッピングなんて自分一人だけ違う評価だったのにはガックシ!
    あなたの体験記をみて少し安心しました。これからも珈琲道にはげみたいとおもいます。
    ありがとうございました。

  4. ホゼ ホゼ

    藤野様
    おー、昨日の初級カッピング行ってきたんですねー!
    難しいですよねw 僕も難しかったですw
    カッピングをできる場所というのは少ないし、カッピングを学べる機会というとさらに少ないですが、コーヒーの評価が出来るということはプラスになると思うので、僕も勉強を欠かさないようにしています。
    がんばりましょー^^

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