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丸山コーヒーカッピングセミナー アドバンスコース その② やりすぎは禁物

さて、おいしいお昼ゴハンを食べたらすぐに午後のセッションに入る。
セッション2もまた5サンプル。
今度も地雷がふたつあった。
※あらかじめ豆が何とか地雷がいくつとか(そもそも地雷があるかどうかなんかは)全然知らされておりません
3テーブルあったので、午前とは参加者の振り分けを変えてやることになった。これまたさっきとメンバーが変わるというのは新鮮だし面白い。
当たり前なんだけど、カッピング中は「ズズー」「ズズー」「ズズー」という音しかしない。一部「ピュー」と鳴らしている猛者がいたが・・・まあカッピングヒヨッコの集まりのようなものなので、たいていの人は(もちろん僕も)ズズーだ。
USTREEM見てたツイッターのフォロワーさんが
「会社でイヤホン挿して見よう思ったら「ズズー」「ズズー」しかやってへんw しばらくしてまたイヤホン聞いたらまた「ズズー」やw エクセルの画面どかして見てみたらカッピングでお前らまだズズーかよとw」
と言っていた。
まあ真剣で私語もなく集中して「ズズー」とやっていたわけだ。
さて、カッピングシートにはだいたいシートの一番上のサンプルから書き始めるわけだ。
さっきのセッションで点が甘めに出たわけで、今回は低めに見積もるぞと心に決めてまずはドライの状態のアロマを嗅ぐ。
Aはうまそうだ。甘みも強いし爽やかな香りもある、スパイスもある。ドライの状態でコンプレックスと。
Bもイケるね。ナッツ、チョコ、キャラメル方面に強い香りがある。甘いんじゃないかな。
Cは少しドライの状態からウオータリーな感じがしなくもない。フルーツは出るが複雑ではない感じだ。
Dはどうだろう、香りが弱いしフルーツや花の香りはほとんど無い。悪い紅茶のような発酵臭、とげとげした香りだ。
Eは少しアンモニアな匂いがある。ローストも焦げている感じがあるしちょっといい香りが無い。
である。さて、ここからが午後半日続く失敗の始まりなのだ。
まず、Aのアロマ、味、風味の欄に僕はこう書いた。
「6」(実際には目盛りの6の部分に線を引いた)
20100527142141.jpg
これが大間違いの原因である。
実は最終的にこのAが最も高いスコアを付けたのであるが、その点数は86点である。すごくうまいし好きな味だし最終的になんで86点なのだろうかと後で悩んだくらいなのだが、分析してみると、最初の最初で「6」とチェックしたのが全ての原因だ。
まず、アロマ、味、風味を取っていくわけだが、A、B、Cと続けて行くと明らかにA>B>Cなのだ。なのだが最初に「6」と書いているわけで次のBは「5」と書かざるを得ない。得ないがそんなわけない。いくらなんでも「5.5」だろう。普通ではない、良いなのは間違いないのだから。しかし「5.5」は書けないのでBは「6」とした。
そうするとA>B>CなんだからCはもう「6」は無理。つけられない。「5」をつけるしかない。普通?いやいや「6」が十分つくと思うんだけどAが「6」なんだからしょうがない。
というような迷いがシートにも出ていて、BやCを書き直している。
後から考えると、Aが「6.5」あるいは「7」なんだよね。そっちに修正できれば良かったものの、心に「さっきは高かったぞ、今度は低めにしないとまた高くなりすぎる」というのがあったので、本当に良いものなのにAを低めに見積もりすぎてしまった。
そしてそのまま最初の「6」を基準にカッピングを進めてしまい、あとから「インプルーブ」という評価をしているがそれでも点数アップは追いつかず、Aのカップが86点、これは正解(というのは無いのだけど、標準的な点数がどのへんかと言えば)は90点以上がつく豆だということだ。
A>Bなわけで、Bの点は必ずAより低くならなければならない。しかしBもうまいのよ。うまい。これどう考えても82、3点の豆じゃない。
というわけで最終的にAとBの差は0.5点、僕の結果では85.5点なんだな。これは90点近い豆だそうだ。
ええい、低くしすぎだ。
DとEに至っては(コマーシャルクラスなんで、まあ良くないといえば良くないんだけど)悪い点数のオンパレードになってしまった。
これまた低すぎ。
終わってから「基準を持つことはいい。しかしその基準が合っていると思うなよ」という悪魔の声が聞こえてきた。本当に聞こえた。下げるという意識が強すぎて、本当にいいものなのに「良すぎに評価してないか」と自分で間違ったほうに誘導してしまった。そしてそれを途中で修正できないところがまた経験不足というか未熟というか。
ハァ。
セッション2の教訓
「良いと思ったら、自信を持って良いと言おう。ちゃんと説明ができるなら、それに見合った高得点をつけるべきだ」
「迷うのは、感覚で判断していないから」
「何事もやりすぎは禁物。度が過ぎた調整はもはや前回が参考にならない」
怒涛のセッション3へ続くです。


Published in エスプレッソ技術

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