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音楽とコーヒー

サンシャインステイトエスプレッソ号(僕の移動カフェ)ではいつも音楽を流している。
iTunesに突っ込んである音楽の中から適当に(iTunesが)iPodに入れた曲を流しているのだが。
音楽と思い出が密接に結びついているという経験をしたことは、誰でも一回や二回したことがあるだろう。
むしろ、多くの人は、音楽が重要な役割を果たしている思い出というものをいくつも持っているのではないだろうか。
さっき、Goldfingerというバンドの曲が流れていた。ジャンルで言うとメロコアだ。しかもオールドファッションドなメロコアバンドだ。
僕が大好きなバンドなのだが、知名度で言えばイマイチかもしれない。
だから、この曲での集客効果は無いに等しいと思う。そして、いらしていただいているお客様の多くはメロコアというジャンル、しかも結構古めの曲なんてのを聴きたいと思っていないと思う。この曲を知らないわけだから、お店のBGMとしては失格なのかも知れない。
けれども、これは僕のコーヒーの一部なのだ。
この曲がかかっているときに、ニカラグアのエルポルベニール農園のエスプレッソをいくらかリストレット気味に抽出して少し濃い目のロングブラックを作る、そしてそれをお客様が飲む。少し酸味が強いかも知れない、口当たりも強い。音楽はキャッチーなメロディのパンクソングがかかっている。
外は雨だ。細かい霧雨がまとわりつくように降っている。日も暮れて、8月と思えない涼しさだ。
実際にさっき、このようなシチュエーションだったわけだ。
お客様は初めて来た男性、少しガツンと来るようなのを飲みたいということで、ロングブラックのボールド(濃い目)を作ったわけだが、半分くらい、軒先で飲んでから「残りは車の中で飲むよ」と去っていった。
このお客様が、果たして移動カフェで飲んだ一杯のコーヒーとそのとき流れてた音楽をセットで記憶に残してくれるかどうかはわからない。
でも、もし記憶の片隅に残ってて、あとで思い出したときに、コーヒーとセットで流れてた音楽がダサい、しょうもない、ありきたりのものでは、ちっとも面白くない。
「なんかヘンなのかかってたな」
と思ってくれればいいなと思う。
「なんかカッコイイのかかってたな」
そう思ってくれれば最高、そしてその曲を探してみようかななんて思ってもらえたら、天にものぼる気持ちだ。

コーヒーを飲んでいるときに耳に入る音楽が、願わくば、お客様にとって素敵な体験の一部になりますように。


Published in 雑記

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