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年末のまとめ記事の前に

年の瀬だけど、今年のまとめ記事にあらずです。ハイ。普通の記事です。
ビジネスには二つの側面がある。

ひとつは、相手の財布から自分の財布にお金が移ること
もうひとつは、相手の財産が豊かになること

ウチの商売であれば、コーヒーを一杯売った場合に、

お客さんの財布から僕の財布にお金が移る
お客さんは美味しいコーヒーをゲットして幸せである

となるわけだ。
非常に簡単な話だ。経済とか言い出すまでもなく、誰もがわかっている話だ。
しかし実際のビジネスというのはこの簡単な図式だけで済むってわけではないよね。
なんでかというと、売る人と買う人の二人っきりという状況になりにくいからだ。その取引が周囲に与える影響が必ずあるからだ。
たとえば僕ならどこか商業施設などの敷地内、普通のお店ならビルのテナント内、あるいは一軒家のお店なら町並みの中にあるだろう。
そうすると、お客さんと取引をするということは、その周囲に影響を与えることになる。
もしぼったくりな値段で商売をしたら、僕なら営業している商業施設へ、テナントで入っているお店ならほかのテナントさんへ、あるいはビルそのものへ、一軒家なら隣り合うお店や並びのお店へ、それらは、ひいては居住する皆さんへと、少なからず影響があると思う。それも確実に悪いほうの影響だよね。
いずれそのお店は敬遠されるようになり、悪いうわさが流れ、その周囲を巻き込んで価値の下落を引き起こすわけだ。
これはひとつの例で、実際のその取引がどういう影響を及ぼすかというのは、ある程度想像がついても正確に予測するのは難しかろうと思う。
価格についてもそうだし、商品についても、店構えや宣伝方法、スタッフの質、サービス内容などなど、いろいろな要素がある。それらが、それぞれよそ様に影響してしまうのだから、「この店はオレの店だ、勝手だろ」なんてことは言ってられない。
自分のせいでよそ様に迷惑をかけるのは忍びないよね。
そこで、こう考える。

ひとつは、相手の財布から自分の財布にお金が移ること
もうひとつは、相手の財産が豊かになること
そしてもうひとつ、その取引が周囲に良い影響を与えること

いい感じになってきたけど、三つ目はなんかあいまいな感じだよね。良い影響と言っても、良いとか悪いとか、その基準は人によって違うし、ラインを引くことなんかできないよね。
というわけで、三つ目をこう言い換えてみようと思う。

その取引が周囲の価値を引き上げること

価値を引き上げるとはなんぞや、ということになるが、こう置き換えてみる。

その取引をすることは「寄生」ではなく「(お互いに利益のある)共生」であること

寄生ってのは一方的に利益を得るだけ、(お互いに利益のある)共生ってのは一緒にいることで自分も相手も利益があるってこと。
そのビジネスは、その取引は、寄生になってないか?周りや先人が築いたものを一方的に利用して、その価値を減ずるだけのものになってないか?
そのビジネスをやることが、自分だけの利益にとどまらず、相手にも、そして周囲にも利益になるというモデルであることが大事だろう。
歴史ある都市の顔となるような目抜き通りに、安さだけが自慢の、使い捨てのような店を出すべきではないと思う。いかがわしい内容の会社がいるべきではないと思う。
そこには相応の店が、会社がいないといけない。
そしてこれはビジネスをやる側だけの問題ではない。
消費者は、その店で買い物することが、その会社を利用することが、そのビジネスの取り引きの相手方となることが、街の価値を上げる/下げるということにつながっていることに気がつこう。
寄生しているだけのくだらない店や会社より、街の人たちと、いや街そのものと共生している店や会社を利用したほうが、どれだけ素晴らしいことか。
いつでも、その選択はあなた次第なのである。買い物をする、サービスを受けるときに選択の自由がいつだってあるんだから、消費者も消費行動をするときには街と「共生」してみよう。
年末年始、何かと物入りだったり、外食が多かったり、何かのサービス業を利用したりすることが多くなるでしょ?
せっかくお金使うなら、しっかりとその店や会社を吟味して、ここでお金使えばこの街がもっと良くなる!と思うところにお金を使ってみませんかー?


Published in ビジネス

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