ブラジル、不作です・・・

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皆さんご存知の通り、ブラジルは圧倒的なシェアを持つ世界最大のアラビカ種コーヒーの生産国である。
どのくらい圧倒的かというと、なんと5割に近いほどという、本当にすごいシェアだ。ちなみにロブスタ種でもベトナムに次ぎ2位という、コーヒー界の巨人である。

そのブラジルのコーヒーが今、不作により高騰している。

不作の原因は、乾燥と雨。 ・・・え? どっちなの? という話であるが、どうも今年のブラジルは、降るべきときに降らず、降らないでほしいときに降っちゃったという感じなのだ。
その原因のひとつと考えられるのがエルニーニョ。これは皆さん聞いたことがあると思うのだが、ペルー沿岸沖から日付変更線にかけての広い太平洋東部海域で、海面水温が平年に比べ高い現象が半年以上も続くことがあり、これをエルニーニョ現象と呼ぶ。エルニーニョの年は天候が不順となり、農業、漁業が不作となったりする。
ブラジルも例外ではなく、今年は天候不順により不作となってしまった。

2014年のブラジルの総生産量が多く見積もって3割ほどの減産となる可能性があるということから、ニューヨーク市場のアラビカ種コーヒー豆取引価格は、なんとなんと今年に入ってからおよそ2倍となり、更に年末に向けて数十パーセントの上昇が予想される、などと恐ろしい上昇率となっている。
もちろんニューヨーク市場以外、世界中でブラジルのコーヒーの取引価格は上昇しており、そのあおりでブラジル以外のコーヒー豆も値上がりしている。ブラジルが3割減産ということになると、世界中の生産量の1割ほどが減るということになるのだから、生豆の取引価格高騰は避けられない。

ブラジル経済は一時の好況がひと段落し、経済は停滞気味になっているのだが、それでも都市部を中心に生活スタイルは日増しに先進国の水準に近づいており、スターバックスの価格などは、北米と変わらないという。それでも、従来のスタイルのカフェで、安い「カフェ・ジーニョ」というデミタスカップで飲む低グレードの豆を使用したドロっとしたコーヒー(たいていは砂糖をたっぷりと入れて飲む)から、スターバックスを代表とする近代的なカフェで高い値段を出して高品質なアラビカ種で淹れたコーヒーを飲むスタイルへシフトしている。
高品質なコーヒー豆が自家消費されることになると、人口の多いブラジルでは途端に輸出量に影響してしまう。当然、国内で消費するわけだから、輸出が減ることになるわけだ。

いろいろと悪い条件が重なり、今年のブラジルのコーヒー生豆は高い。今年前半が終了した時点ですでに高いなあと思っているのに、後半はまだまだ高くなる予想だというのだから困ってしまう。
そしてさらに悪いことに、来年も生産量はそれほど回復しない見込みであるため、来年もまたさらなる高値へと向かう可能性があるというのだ。

ブラジルは、実は今年は豊作になるはずだった。というのも、今年は「表作」の年だからだ。
コーヒーノキを含む、受粉から果実成熟までの期間が長くて果実が成長している間にすでに翌年の花を付ける準備をしている果樹で見られるのだが、一年おきに豊作と不作が交互にやってくるという現象がある。それが表作、裏作と呼ばれるものだ。今年、ブラジルでは干ばつと長雨により一部産地ではたいへんな不作となってしまっているが、ブラジルそのものは本来、表作になっているはずの年なので、何もなければ豊作が期待できる年であった。ということは、来年は裏作に当たるため、あんまり期待できないということだ。
また、今年の干ばつ、長雨の影響でコーヒーノキそのものの生育状態も良いとは言えず、枝の内部ではすでに来年の準備に入っているのだが、その準備も芳しくないというのも、裏作であること以上に不作を予想させる要因である。

というわけで、今年のブラジルのコーヒーは高騰し、来年も下がるとは思えない、というのがおおかたの見方だ。
そうすると世界中の産地のコーヒーの取引価格へ影響を与え、コーヒーそのものの価格水準が高くなってしまう。今年も高いけど、来年もきっと高いよね、というのがコーヒー関係者の共通の見解だろう。

世界の相場は日々刻々と変化しているわけだが、なかなか小売価格の変更というのは難しいものだ。原料としてのコーヒーの高騰、頭の痛い問題である。
しかしここがふんばりどころ、再来年の表作にはきっと豊作になることを願ってコーヒー業界一丸となってがんばっていこう!

・・・え? ラニーニャ? なにそれ怖い(>_<) ラニーニャとは、エルニーニョの後によく見られる現象で、海水温の上昇が特徴のエルニーニョの揺り返しで海水温が降下し、やはり農作物の成育などに悪い影響を与える原因と言われている。エルニーニョが数季続いたあと、ラニーニャがまた数季続くことで、長期(年単位)で不作となることもある。つまり、今回のエルニーニョの終息がいつごろかまだはっきりとわからないが、長いと十数か月(一年以上だ!)も続くエルニーニョの後に、また長期にわたるラニーニャが来るとなると、再来年あたりの生産量も不安になってくるということになるかも。 来年、再来年とコーヒーのお値段はどうなるのかしらん。


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