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YOU移動カフェやっちゃいなよ!(移動カフェ開業マニュアルpart1)

前置き

SSEが移動カフェだったのはついこないだだった。そのころのことを覚えていてくれている皆様から、よく移動カフェについて聞かれるので、開業するにはどうしたらいいかというのを何回かに分けて書こうと思う。
もしお店をやりたいけどなかなか踏ん切りがつかない、あるいは、ふところ具合の都合でなかなか店舗を構えられない、という人がいれば参考にしていただければ幸いである。

今回のお題

移動カフェを始める前に知っておくべきこと、である。
スモールビジネスであるが、これはれっきとしたビジネスであるため、適当にはじめてしまうと後々すごく大変な思いをすることになる。特にお役所関係とか。
また、商売であるからして、ちゃんとお金を儲けなきゃならない(半分趣味だなんてこともあろうかと思うが、それでも儲かるにこしたことはないはずだ)わけで、これまた適当に始めちゃうと後々苦労したりするんで、やっぱりちゃんとわかっておいたほうがいいことって、ある。
そして始めたら始めたで、始めてからこんなことやあんなことをやんなきゃなんないとか知らなかったよ、と面倒なことになることもあるので、ちゃんと始めたあとのことも理解してから始めた方がいいね。

というわけで、移動カフェを始めるぞ、と意気込んで車の改造を始めるまえに、ここまでは知っておいたほうがいいよねということを順に説明していく。

お役所関係

食品を扱う=保健所、これはもう鉄板である。それが営利であれ非営利であれ、有料であれ無料であれ、誰かに自分が作った食品を飲食してもらおうと思ったら保健所に相談だ。

住所地を管轄する保健所に行き「車両での移動式のコーヒー店をやりたいのです」と相談する。全てはここから始まる。何故かというと、保健所の許可が無ければあなたは絶対にコーヒー屋を開業できないからである。そして保健所というのは食品を安全に衛生的に扱う方法を教えてくれる。そのために必要な設備や、どのように調理するか、何をしたらいいか、何をしたらダメなのか。保健所は、申請をしようと相談すると、呆れるほど安全や衛生に対して厳格だと感じるだろう。しかし、いつでもきちんと保健所が言う通りにやれば、確かに安全だし衛生的に食品を提供できる。そして、その設備と手順に関して、保健所が言うとおりにやれば、許可は下りる。

保健所に関して言えば、最初にノープランで相談しに行ったとしても、きちんと「次の来所までにこれこれこういうものを準備してきてください」と宿題をもらえるので、準備ができたら行けばいい。非常にわかりやすいのである。
具体的には、最初に「やりたいんです」と相談すれば、許可までの流れを教えてくれて、次には手書きでいいので車両の見取り図を描いて持ってきてね、と言われるだろう。そして、開業までには「食品衛生責任者」の資格を取得してくださいね、と言われると思う。その準備ができたら、また訪問すれば良いのだ。
ちなみに申請時には、もちろん手数料がかかる。喫茶店営業の許可で9600円である。これは仕込み場所を必要としない営業形態なので、コーヒーは淹れられるしお菓子やパン、惣菜も売れるけれども、自分で調理することはできないので、コーヒー以外に売るものは全て仕入れたものをそのまま売ることになる。コーヒー専業であれば、喫茶営業で十分だろう。しかし、もし、お菓子作りが得意なので、とかであれば仕込み場所を必要とする飲食店営業の許可を取るのもいい(仕込み場所をどうするかが難関だけど)。この場合は申請料16000円である。

食品衛生責任者というのが出てきたので、次にその話をする。
飲食店であればどんな店でも「施設ごとに営業者または従事者のうちから食品衛生責任者1名を定めておかなければばらない」と、食品衛生法で定められている。移動カフェの場合、ほとんどは一人営業だろうから、つまりはあなたが食品衛生責任者にならないといけないのだ。
といっても資格取得は簡単。都道府県の食品衛生協会のウェブサイトを見て、講習会に申し込み、受講するだけだ。講習は丸一日、費用は1万円。

次に税務署。事業を開始する届けを出さなきゃならない。これを出さなくても商売していいんだけど、出さないとどうなるかというと、事業で収入があるのだけど白色申告しかできないことになる。週末起業にしろ、本業にするにしろ、事業で収入があれば、いろんな意味で青色申告をしたほうがいいので、ここはぜひ税務署に開業届、おっと正確には個人事業の開業・廃業等届出書の提出をしよう。これは費用はかからない。

これで、お役所関係はOKだ。

仕入れはどうするか

コーヒーを売るわけで、もちろんコーヒー豆は仕入れることになるだろう。また、カップなどの消耗品もどこかで買わないといけない。抽出器具なども最初にそろえる必要がある。それらはどこから買うか。
いまやAmazonで全てが買える時代だ。全てネット通販で最安値のものを、というのも選択肢としてはあるだろう。しかし長く商売を続けていこうと思ったらそれは最善の手ではない。

コーヒー豆は、なるべく自分のワガママ(と言ったら聞こえが悪いが、オリジナルブレンドを作りたいとかそういう要望)を聞いてくれるようなところがいい。最初は小さい商売なのだから、購入量も多くない。それでもちゃんとこまごまと対応してくれるところ、そしてスタートしたばかりのあなたの商売を応援してくれるところを探そう。これは、とにかくいろんな自家焙煎店に足を運んで探すしかない。どこかに、あなたにピッタリのコーヒー豆を焼いてくれる自家焙煎店があるはずだ。

次に機材。紙コップや商品を入れる袋、ドリップのペーパー、こういう消耗品はなるべくまとめて注文したい。使い勝手のいい業者を探そう。まとめてお願いすることで割引もしてくれるだろうし、送料が浮くというのもあるし、支払時に振込手数料がかさまなくていい。まとめて買えるなら、ひとつの仕入先から買うといい。もし、コーヒー豆を仕入れているお店から買えるものがあれば、豆と一緒に買うことで送料や支払の手数料を抑えることもできるので、豆の仕入先に消耗品も買えないか相談するのもいいだろう。

実は、仕入れというのはただモノを買うだけでなく、商売を広げるためのツールという側面もある。いろんな情報をもらえたり、仕入先のお客さんへ自分の商売を紹介してもらえたり、仕事を紹介してもらえたりなどなど、仕入先と密につながっていることでメリットとなることがたくさんある。しかし仕入を全部Amazonで済ませたら、そういうメリットが無い(そのかわり、発注したらすぐ届くし値段は安いだろうけど)。
良い仕入先を見つけることは、商売を広げるチャンスでもあるのだ。

コーヒービジネス、特に移動カフェでのビジネスについて勉強するには

何もわからずにいきなり移動カフェデビューするのは、かなりリスクが高い。やっぱり移動カフェのビジネスがどういうものかというのをよーく知ってから始めるほうが安全だ。そしてそういう情報はどこで手に入れるかと言うと、もうこれは先輩に聞くのが一番手っ取り早い。だがしかし。
街に5台も10台も移動カフェの車が出店している、なんて場所はないと思う。むしろ、自分の住む街に移動カフェがいない、というのがほとんどじゃなかろうか。街には聞くべき相手がいないわけであるから、近くの街に出店する移動カフェに聞きに行くしかない。とにかく手あたり次第に移動カフェに出向き、コーヒーを飲み、話を聞こう。移動カフェのビジネスのリアルな実態は、実際にやってる人に聞くのが一番よくわかる。
そしてもうひとつ、コーヒービジネス全般についての勉強というか予備知識も必要だ。移動カフェをやりたいってくらいだからきっとあなたはコーヒー好きだ。それなら馴染みのカフェの一軒くらいあるだろう。移動カフェをやりたいということを明かして、いろいろ話を聞いてみよう。

まとめ

準備と並行してということになろうかと思うが、まずは役所関係には疑問が無くなるまで聞きにいくことを勧める。わからないことをそのままにして走り出すと、結局後で苦労することになったり、最悪は違法なまま営業してしまったりする。とにかく法律的なところは誰にとっても馴染みがなくわかりにくいものだ。わからなければ聞く、役所はそれが仕事だから、丁寧にどうすればいいかを教えてくれる。
そして仕入先を探す。移動カフェだからと、コーヒー豆にしろ消耗品にしろ、あなたの商売をサポートしてくれるだけでなく、商売を広げてくれるようなところを見つけよう。そのためには、ただ見積を取るだけではなく、営業担当と会って話をするのが良い。移動カフェだからと面談もしてくれないようなところは、ダメだろう。あなたの商売を広げてくれるような営業担当なら、きっと小さい商売でもちゃんと向き合ってくれるはずだ。
そしてコーヒービジネスや移動カフェのビジネスについて勉強するために、すでに開業している移動カフェ、または実店舗のあるカフェに通い、話を聞こう。事前に情報をたくさん持っているほうが、スタートがスムーズだし、安全だ。

というわけでpart1はおしまい。次回、part2は移動カフェのお金の話だ。生々しい話になりそうな予感・・・


Published in 移動カフェ

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