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YOU移動カフェやっちゃいなよ!(移動カフェ開業マニュアルpart2)

移動カフェだったSSE、今は東京・本所でお店を構えてるけど、スタートの2010年はこんな場所でこんな店になってるとは本当にこれっぽっちも思ってなかったよ。
というのも、移動カフェを始めたときには「移動カフェで行けるだけ行くぞ」と思ってたからだ。決して「移動カフェでとりあえずスタート、これはコーヒー屋としてのワンステップ」などとは考えていたなかった。いつかは固定店舗をやるかもしれないという可能性は最初から持っていたが、それとこれとは別の話で、移動カフェでちゃんと商売を成功させることが最重要だったからね。
「1番じゃなきゃダメなんですか」という流行語(?)があったけど、商売をやる限り、1番じゃなくても絶対に「勝たなきゃダメ」なんです。勝つとは言い換えればちゃんと黒字になるっていうこと。そういう意味で、移動カフェ「でも」やるか、とか、移動カフェから「とりあえず」スタートするか、なんてのはもうかなり旗色が悪い感じ、負け戦臭がプンプンする。

というわけで今回は、移動カフェのお金の話。

移動カフェを始めるときにかかるお金

移動カフェを始めるときのお金で最も大きいのが移動カフェ車。
ざっくりした話になってしまうが、(軽自動車な人、普通車な人)(自分で作業する人、業者におまかせする人)の掛け合わせで4パターンで考えてみる。

まず、軽自動車を購入する場合。
恐らく、もっとも省コストで開業できる人だ。軽のワンボックスの車検2年付き、これが乘り出し30万で上がる。もっと安いかもしれない。移動カフェ車はもちろん増車になるので(移動カフェ車を日常のアシとして使うにはちょっと不便です)、任意保険もかかってくるので、それは年齢等でいろいろなので3万~10万くらいだろうか。

つぎに、普通車を購入する場合。
軽ワンボックスと違って、普通車の場合はピンキリになので例示が難しい。よく移動カフェ車のベースになっているVW type2だけど、これはかなり高くつく。
まともに動くベース車で200万はみといたほうがいい、ということは・・・内装までやったらいくらかかるのか。僕もあこがれたけどあえなく予算で却下されたという過去があります(笑
あと、ちょっと狭いけどこれはオシャレというのがルノーキャトルフルゴネット、もっと狭いけどこれまたオシャレというのがミニトラベラー。どっちもあれば100万から200万くらい。オシャレだけど高いねえ。
ところで、店舗が移動カフェ車ということなので、できるだけ車両トラブルは避けたい。トラブルで出店できない(出店場所まで行けないとか)というのは、店舗なら「店舗内のトラブルにより臨時休業」とシャッターを閉めて貼り紙を出すとの同じである。
というわけで、国産だとトヨタデリボーイと日産アトラスロコ。どっちも、まあ100万ってとこかな。なんだか現実的になってきたよ。
こちらも任意保険に数万を見といてね。

というわけで、車両代は30万~200万ということになった。予算で選んでください。

つぎに内装というか改造というか。
業者さんにお願いすると、だいたい50万からという感じで、あとはオプションというかどのくらい作り込むかで青天井ということになるようだ。実際に移動カフェをやっている人に聞いた話を総合すると、100万くらいというのが相場みたい。
プラス、外装ということになるので、板金屋さんで全塗装をお願いすると安くて20万くらいなので、ロゴのカッティングシートだとかツートンで塗り分けだとかやると30万くらいかな。
お金はかかるけど、見た目がぜんぜん違うので「どこの大手業者さんですか」みたいなクオリティになる。

これを自分でやるとどうなるか。恐ろしく安く、恐ろしくクオリティが低くなる(個人差があります)。
内装は、完全に自作が可能である。店舗と違って電気工事やガス工事の必要がないので、免許のある人にお願いしなきゃならない部分が無いので、ぜんぶ自分でできる。
ツーバイフォー材を使って作れば、非常に簡単に丈夫にできるのでオススメ。カウンターだ棚だと自分で作れるのか心配、といことなら、キットになってる犬小屋あたりを実際に作ってみると、必要な工具が一通り揃うし、慣れることができて自信もつくので、ひとつ作ってみてください。もし犬を飼ってないなら、木製エアコン室外機カバーキットとか、木製ガーデンテーブルとかのキットもあるのでそういうので慣らし運転してみるといいかもね。
内装のうち、カウンターや作業台などの木材費は1万円くらい、そこに埋めるシンクや水タンク、排水受け、配管類などでやっぱり1万円くらいかな。家電類は、冷蔵庫が小型1ドアタイプ2万円(中古なら数千円)、必要なら扇風機やホットカーペットなど、数千円。実にこれだけで車の内装はできてしまう。クオリティは製作者に依存するが、コストは非常に低く抑えられる。

というわけで、車両制作は自力で数万円、業者に委託すると100万円くらいと非常に幅が広くなった。これも予算に応じて、外注する部分と自作する部分をわけるといいかも。

で、結局いくらあればスタートできるの

もっとも低予算で始めようと思えばこのくらい。

・移動カフェの事業にかかる役所関係3万くらい
・移動カフェ車取得30万くらい
・内外装5万くらい
・コーヒー器具(ドリップバースタイル)と消耗品などの初期在庫5万くらい

がんばれば、50万くらいで始められるよ。
エスプレッソスタイルでやるならマシン代とかかかるから、プラス30万円くらいみといてください。

移動カフェを継続していくお金

始めるのは簡単、続けるのが大変。これはどんな商売でも同じだと思う。移動カフェも例外ではなく、始めることより続けることが大変。だって、続けるためにはちゃんと儲からないといけないんだからね。

というわけで、どのくらいの売上があれば移動カフェとして成立するかを考える。

移動カフェは非常にランニングコストが低い。これは、家賃や水道光熱費が極端に低いことが大きく影響している。
ランニングコストが低いということは、売上に占める利益の割合が大きいということであり、見方を変えれば同じ利益を得るために固定店舗よりも少ない売上で済むということだ。

収入がどれくらいあれば生活が成立つか、というのは人それぞれ違うので、ここはざっくりと月収20万円をボーダーラインにしてみよう。大卒初任給くらいの金額だ。
家賃ゼロ、光熱費ゼロ、出店場所までのガソリン代が往復300円となると、月販20万あれば、手元には15万円くらい残る計算になる。このあたりが移動カフェとして成立する売上のボーダーと考えていいのではないか。

定期出店場所を一か所、あるいは二か所ほど設定して、そこで月間休日4日プラス荒天ということで月に20日以上出店するとして、平均して日販1万円となる。雨だとかお天気に左右されることもあるし、コーヒー専業だと客単価も低いし、平均して1万円というのは売れそうな気がしてけっこうハードルが高い。しかも、知名度も何もない新規の移動カフェなのだから、固定客が付くまでは本当に厳しい。
移動カフェという形態を生かしてイベントなどに出店することが、売上アップに効果的である。イベントをどのくらいの頻度で予定するかというのも考えどころだ。定期出店の臨時休業が増えれば、お客さんの「ここには定期に来る」という印象が薄れ、固定客になりにくくなる。定期出店場所はいわゆる「ホーム」であるわけだが、あまりに不定期では「アウェイ」になってしまう。
どのくらいでバランスさせるかは人によりけりだろうが、あまりにもイベントが多くなると、固定客がなかなかつかずにいつも通りすがりのお客さん相手ということになってしまう。売上的にも不安定になるので、やはり定期出店場所ではそれなりに定期出店したほうがいいと思う。

家賃がかかる出店も売上があるならやってみる

家賃がかかる出店も、売上がちゃんと見込めるならやってみるのもいいだろう。
ショッピングモールや駅ビルなどで移動カフェを誘致している場合がある。家賃相場は売上の2~3割とか、一日あたり1千円=5千円とかというところが多い。利益から取られるわけで、例えば5万円の売上で3割の家賃って15000円なんだけど、5万円の売上に対する粗利が4万円の場合は4割近くなる。売上が多くても家賃などで食われて意外と手元にお金が残らなかった、ということもあるので、どれだけ売れるかということと同時にどれくらい手元に残るかということも考えて出店を検討してください。
ちなみに屋台村的なところだと、屋台ばかりあるから集客力が高い反面、競合が多すぎて客が分散してしまい一店舗あたりの売上はそんなに多くない、ということもあるので注意。さらに屋台村は家賃相場も高めだと思うので、慎重に。

具体的にはどのくらいが現実的なラインなの

定期出店場所が1~2か所、どちらも平均して1万円の売上があり、月に1度はイベント出店で5万円の売上がある。これで月商30万円、年商360万円。仕入などを引いて手元に250万くらい残る。税金や健康保険など、いろいろ払って50万くらいは減るかな、200万くらいが使えるお金かな。
なんかコンビニバイトのほうが高収入な気がしてきたがそれは気のせいじゃないかも知れん・・・

がんばって定期出店で1.5万円平均くらいにできればいいね(←けっこうハードル高い)

勝たなきゃダメなんです

だいたい、このくらいの売上をなんとかして作らなきゃならない。作れなければいずれ商売が続かなくなる。勝たなきゃダメなんです。黒字にしないとダメなんです。
趣味でやるからいいんですとか、儲からなくても楽しければそれでいいんですという人は、それはそれで羨ましいなあいいなあと思うけど、残念ながら経済的にそんな余裕がある移動カフェオーナーといのは少ないわけで、僕もそうだったし、たいていの場合はちゃんと黒字にしないとおまんまの食い上げになっちゃう。最初は売上があがってくるまでガマンしなきゃならないし、だんだんお客さんが付いてきてもなかなか目標額までいかないという時期が続くかもしれない。とにかく黒字化できるところまで挫けずに頑張らないといけない。

でも、そんなに長くはガマンできないよ!

というわけで、始めるときにどのくらい、商売を継続するにはどのくらいのお金が必要なのかわかった。黒字化するまでに苦労しそうなことも予想できる。ならば次回は、移動カフェを効率良く軌道に乗せる方法を考えてみたい。

お楽しみにー!


Published in 移動カフェ

2 Comments

  1. きたの きたの

    ブログ拝見させていただきました。
    質問させてください。

    コーヒーの移動車販売を検討しております。
    電力ですが、電源を確保できない場合、みなさんどのように対応されていらっしゃるのでしょうか?
    発電機?蓄電池?騒音もかなりでしょうし、重量も気になるところです。
    使用する機械はエスプレッソマシン、ミル2台、冷蔵庫、これらをあわせて2500wほどになるのかな、と計算しております。
    なかなかの電力ですが、やはり電源を確保できないとなるときびしいのでしょうか?
    ある程度割り切ってしまうことも必要なのかなあとも考えております。
    (電源があればマシンも使用、なければハンドドリップのみ、など)

    質問が頼りない内容で申し訳ありません。
    よければ回答いただけると嬉しいです。

    どうぞ宜しくお願い致します!
    ※メールでいただけると嬉しいです。もちろんこちらでも構いません!

    • Shigeru Jose Sugiuchi Shigeru Jose Sugiuchi

      きたのさんこんにちは。
      ご質問にお答えいたしますね。
      あくまでも僕の見解なので、取り扱いは自己責任でお願いします。

      >>電力ですが、電源を確保できない場合、みなさんどのように対応されていらっしゃるのでしょうか? 発電機?蓄電池?

      電源を借りれない場合には発電機しかないですね。蓄電池(バッテリー)使用というのは聞いたことないです。

      >>やはり電源を確保できないとなるときびしいのでしょうか?

      発電機の場合には、どこでも営業できる反面、音や臭いの問題から営業を遠慮しなければならないような事態になることもあります。イベント会場などでない場合は電源が借りられる場所でやるのがいいと思います。

      >>電源があればマシンも使用、なければハンドドリップのみ、など

      フレキシブルに対応するというのもいいとおもいます。できる範囲の営業を考えて、その場所に合ったスタイルで営業するというのは良いアイデアだと思います。

      なお、ホンダ発動機で、カセットボンベで駆動する発電機を出しており、これは騒音や臭いの問題がクリアされていると聞いてます。僕は実際に試したことはありませんので、ご自身でお確かめになってください。

      以上です。移動販売、がんばってください!

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