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「ビジネスで大切なことはみんなレストランで教わった」を読んだ。

最近ご無沙汰な書籍のハナシ。
読んでたんだけどね、ほら、ツイッターやるのが忙しくてブログの更新頻度が下がっちゃってw
そんでしわ寄せが来るのが書評。読んで、内容をまとめてブログに書くの、結構面倒だったりしてw
しかし、そんな中でもこの本はブログに書いておこうと思う。この本のタイトルは
 「ビジネスで大切なことはみんなレストランで教わった」
だが、僕の読後の感想は
 「飲食店経営で大切なことのうちの大事な一つは、この本で教わった」
である。
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著者のことは知らなかったし、著者が経営しているレストランも知らない。タイトルも「いかにもありがち」なタイトルだし、積極的にこの手の本を手に取るタイプでもないのだが・・・残念ながら僕は三谷幸喜の往年の名ドラマ「王様のレストラン」の大ファンなのだ。
この本の背表紙をチラっと見かけたときに、あの数々の奇跡を起こした伝説のフレンチレストラン・ベルエキップと、慇懃だが傲慢なほど自信に満ちたこれまた伝説のギャルソン、千石を思い出すのは僕だけではあるまい。
ま、王様のレストランは置いといて、この本は飲食店を開業しようかなーと思う人は読んだほうがいいと思う。
ビジネスで大切なことはみんなレストランで教わった、というタイトルだし、前書きにも、ビジネス一般に通じるスキルを身につけるというようなことが書いてある。しかし、この本を読んで飲食店以外の業界に身を置く人や、飲食店以外の起業志願者にどんな役に立つことがあるんだろうかと思うと、それはあんまり期待できないかなと思う。
やっぱり、これを読んでストレートに役立つのは飲食店を開業しようとしている人、あるいは開業したての人だ。
(飲食店経営歴が長いという人も、これを読んで役立つこと満載かというと難しいかも)
いろいろと素晴らしいサジェスチョンがある中で、一つだけ紹介したい。
(もちろん、これ以外にも役立つ内容が満載なので、是非通して読んでもらいたいのだが)
 起業は「興味があり」「強みがある」ところでやろう
興味があるということを、著者は「エッジが立ってる」と言っている。自分のアンテナが立つところと言い換えてもいいかもしれない。
普段通りの生活で人より情報が入ってくるところ、たいした努力も無しにその動きに精通していること、楽しいからどんどん勉強しちゃうこと、ってことだろうか。
とにかく、自分がなにに興味があるのかを「詰めて」考えてみるといい。著者の場合は、飲食店を開業しているわけだが、飲食店の何に対して興味があったのかと言えば「おもてなし」だということだ。料理は食べるのが好きでもスキルは無かった。つまり調理そのものにはそれほどエッジが立っていなかったわけである。
そこで、おもてなしを最大限発揮できて、尚且つエッジの立たない部分が目立たなくなる、高級炉端焼き店を開業した。素材にこだわり、焼きの技術だけを習得すれば、あとはおもてなし力を全面に出していけばいい。エッジが立っているところなら、その業界に新規参入したとしても、エッジが立っていない人(や店)と競争して、最初から勝ち目があるというわけだ。
もう一つ、強みがあるというのはどういうことか。
著者はITや金融などの数社を渡り歩き、ビジネスの基本やIT、金融の基本を身につけた。しかしこれらは著者に言わせれば、この業界で誰にも負けないというレベルには達しそうにない、ということで、その業界にいる限り、弱みでしかない。しかしそれが外食産業ではどうだろうか。ITや金融の基礎をみっちりと教わった経営者というのはそれほど多くないだろう。つまり、業種を移れば弱みが強みになるということもあるのだ。著者はITや金融で学んだことを飲食店経営に持ち込んだ。そうすれば、同じ土俵で戦っても、相手より武器が多いから、これまた勝ち目があるというわけだ。
飲食店開業というのは、以外に簡単である。ちょっとした勇気があれば誰でもできる。しかし、難しいのはそれをきちんと儲かるビジネスに育てるということだ。移動カフェをやって痛切に感じている。楽しくて社会的に意義があるけど、ちっとも儲からないという店は、道楽だ。儲かなければビジネスではない。
起業するとき、やりたいことをやるのはもちろん結構な話だ。しかしそれが必ず儲かるとは限らない。何かをやりたいということと、それが得意だということはイコールではないからだ。
この本では、儲かるようになるためにどうすればいいか、ということを熱く語ってくれている。(儲かるようにするにはこうしろ、と直接的には言ってないが、結局のところ、著者が言うことは利益に結びついている)
そのスタートたる開業時、まずは儲かるビジネスに育つための土台として、起業するなら「興味があって」「強みがある」ところにしなさいよ、と提言してくれている。やりたいことをやりなさいとは言ってないのだ。
つまり、興味があって強みがあるのがカフェなら、カフェをやりなさいよ、と言ってくれているわけ。
(実際、著者が飲食店を開業するときに、著者自身の興味があり強みのあるところを探した結果、高級炉端焼き店の開業という選択となった)
逆転の発想というかなんというか、目的ありきではなく手段ありきなところは面白い。僕にフィットする考え方だ。
僕の興味があるところ、強みのあるところを生かすと、どのようなカフェにすれば「儲かる」んだろう? よーく考えなきゃ。


Published in 書籍・雑誌

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