スターバックスは、言わずと知れた世界最大のコーヒーチェーンである。
関係する書籍も多い。その中で一冊ご紹介。
【スターバックスを世界一にするために守り続けてきた大切な原則】
ハワード・シュルツという名前は聞いたことがあるかも知れない。でもハワード・ビーハーはどうだろうか。
初期のスターバックスのビジネスがブーミングしたのは、むしろシュルツよりもビーハーによるところが大きいのではなかろうか、と言われている。
ビーハーは、こう言う。
「結局は人だ」
そう、結局は人なのだ。素晴らしいコーヒーというアイテムを作るのも消費するのも人だ。
しかし、コミュニティの中で、組織の中で、最もやっかいな問題は人である。つまり、もっともやっかいな問題が最も重要な問題なのだ。
その問題を解決する手助けになることを10の章に分けて書いてあるのだが、最初の章と最後の章には抽象的だが実に役に立つことが書いてある。
最初の章には、かぶる帽子をひとつにしようと。最後の章には、イエスと言おうと。
かぶる帽子をひとつにすれば、ウソをつかなくて済む。自分に正直にいられる。その状態であらゆることにイエスと言う。ネガティブな要素を排除した上で、ポジティブに行動する、ということだろうか。
確かに、場面に応じて、相手に応じてかぶる帽子を変えてしまう(態度やひどいときは人格まで変えてしまう)ことが無いとは言えない。そして問題があればまずNOと言える理由を探してしまいがちだというのは否定できない。
しかし、かぶる帽子をひとつにして(自分に正直になって)、きっぱりとイエスと言えばこれほど良いことは無いだろう。
世界一にするために守り続けてきた大切な原則は、すなわち、コーヒーは二の次だということだ。一番は、人。
人が人に奉仕する企業、それがスターバックスである。そのツールとして深煎りの豆で一杯ずつ淹れるエスプレッソ(とエスプレッソベースのドリンク)があるわけで、常に従業員とお客が最優先であり、人の前にコーヒーということは、少なくともビーハーには無かったようだ。
(逆に、シュルツはコーヒーにこだわりがかなりあったようで、全自動マシンの導入にはシュルツが相当反対したと書いてある)
正解は無い。無いが、ビーハーの言葉には頷けることが多い。カフェ関連の仕事ではなくても、組織に所属するならば読んで損は無い本だ。
スターバックス本
Published in 書籍・雑誌
Comments