スチームドミルク(フォームドミルクも、か)を作るには、ミルクをスチームするわけだが、そのときにスチームチップの形状、その穴の数や形状や向きなどで、ミルクの出来が違ってくるというのは、バリスタなら誰でも知ってる話だと思う。
このチップというやつ、リプレースするのは簡単でクルクルと回してはずして、付け替えるだけだ。
しかし、チップ、意外と高いのだ。
スチームがうまくいくかどうかまだわからないチップに対して、ためしにウン千円払おうという人はそう多くない(と思いたい。みんな喜んで払っているとしたら、僕が人並み外れたケチだという記事になってしまう!)。
そこで、スチームがうまくいかないあなたのために、チップを変えたらどうなるかという、ものすごくピンポイントなtipsを。
症状)空気を入れる時間が短すぎる(おおむね5秒以内)、ミルクを回す時間も短すぎる(おおむね5秒以内)
対策)まず、チップを外します。外した状態でスチームしてみましょう。150cc程度のミルクを10秒以内でスチームできれば、ボイラーのパワーは十分すぎます。普通の家庭用でも、最近はこのくらいのスチーム能力があるようです。そしてチップをつけてみます。それでスチームして、先ほどと大差ない時間でスチームできたとしたら、穴がでかいです。でかすぎです。ためしに穴をひとつふさいでみましょう。チップの内側から、爪楊枝の先っぽかなんかをグイグイと突っ込んで(抜けないようにしてくださいね!)、スチームの量が4分の1(四つ穴の場合)になったらどのくらスチーム時間が伸びるか試してください。
ここからが難しいです。穴のサイズを恒久的に小さくする加工をします。といっても穴にステンレスの針金を入れるだけなんですが、四つ穴の場合は、二つずつ、ボタンを縫うような感じでバッテンに入れます。そしてチップ内で捻ってスチームとともに抜けるということが無いようにします。針金はできるだけそれぞれの穴で同じような感じで通るようにしましょう。片一方は穴の外側に張り付いて(スチームは内側から出る)、もう片方は穴の内側だ(スチームは外に逃げる)となると、後々スチームがたいへんになるので慎重に。
さて、穴の径と針金の径を測ると、それぞれの面積を得ることができます。半径かける半径かける3.14です。ノギスがあると便利です。穴の面積がどのくらい狭まったかわかります。スチームの力が小さくなければ、スチームする時間を長く取り、空気をじっくり入れて、攪拌の時間を長くとったほうがいいです。
これをやってみてスチームがシルキーになるなら、チップの穴が大きいということです。リプレースしましょう。
誰が役に立つんだ、というtipsだが、僕が役に立つわけで。ま、記録がてら書いてみただけです、ハイ。
おい!チップの穴!
Published in エスプレッソ技術
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