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スチームドミルクの残りは何グラム?

バリスタのスキルというのはいろいろあるけれども。
ラテアートという技術が依然として注目されており、美しくて独創的なラテアートを描くことが、現在においてバリスタの重要なスキルのひとつであることは間違いないだろう。
もちろん僕も、お客様に喜んでいただくためにラテアートをするわけだが、お客様が喜ぶなら「何でもあり」ではないと思っている。
お客様に対しての態度として、「お客様に美味しいラテを飲んでもらうという前提条件の妨げにならない最小限のダメージでラテアートをする」ということ、これ大事。
ラテアートしやすいから、こーゆースチームで、こーゆー温度で、なんてやるのは本末転倒だし、コントラストが出るように焙煎やエスプレッソの抽出を整えるなんてのもマズいね。
すごく複雑な絵柄にするためにお客様を待たせる(すなわち出来立てを提供していない)なんてのもダメだろう。
もうひとつ、直接お客様に関係無い部分なのだが、バリスタとして「美しく、合理的な行動であること」、これも同じように大事である。
カフェラテ(カプチーノ)を作るときにレシピが無いバリスタがいるだろうか? いや、いないはずだ。
エスプレッソ1ozに対し、はっきりと「何ccのミルクを注ぐのか」を把握していないバリスタがいるとしたら、それはバリスタとして褒められたものではないだろう。
カフェラテ(カプチーノ)を作るときは、ミルクをスチームする。つまり容積が増えるわけだ。
するとどうなるか。毎回同じカップに同じところまで注いだとしても、それが「冷たいときに何cc分のミルクなのか」わからない。
それをわかるようにするにはどうするかというと、簡単なハナシで、残ったミルクを計量すればいい。
忙しい業務の中で毎回計るのは難しいが、僕はヒマなときに抜き打ちで(ここ大事)、計るようにしている。
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これは昨日の写真。
注ぎ終わったピッチャーを秤に載せ、ゼロを出してからミルクを捨てる。そうするとミルクの残量がマイナス表示でわかるというわけ。
ミルクをスチームしたあとフォームの部分を少し捨ててから注ぐ、注ぎ終わったあとピッチャーにミルクがたくさん残っている、そういうのってちょっと美しくないよね。
ピッチャーには正確に必要な分量のミルクを入れる、スチームはいつも同じ程度に膨らむようにする、そうすれば残るミルクはいつもだいたい同じくらい、ちゃんとできてればほとんどミルクはピッチャーに残らない。
バリスタたるもの、その動作のすべてが合理的で美しくありたいものです。


Published in エスプレッソ技術

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