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テイクアウトのミルクのスチームの温度はどのくらいにするべきか?

移動カフェをやっていると、ミルクのスチームというのは悩ましい問題だ。
テイクアウトのコーヒーは、その場で飲んでもらえる場合もあるが持ち帰られる場合もある。
僕は過去の検証で、今使用しているミルクの場合、温めた陶器のカップに注ぐ場合、出来上がりで55度くらいが一番美味しいと感じている。
しかし、紙コップの場合はどうだろうか。
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エスプレッソがまず冷める。紙コップの場合、断熱効果はほとんど無いわけで、抽出される途中ですでにどんどん熱を奪われる。特に秋冬は外気温が低い(車内も当然、外気温と大差無い温度なわけで)ため、抽出温度が90度でもあっという間に70度くらいまでオチる。
そこにミルクだ。すでにミルクの温度に近いわけで、このミルクもまたエスプレッソと混じり、どんどん温度が降下していく。もし60度近い温度のミルクを注いでいたとしても、カップにフタをする頃には50度に近いだろう。さらに、紙コップだからどんどん温度が下がる。持って歩きながら飲んでいたら、ほんの数十メートル歩いただけでもうぬるくなってしまうのは想像に難くない。
作る側としては、こう思う。
「ここはやはり、温かいカフェラテを提供したいところだ。しかし、チンチンに熱くなったミルクで作るのもちょっと気がひける」
ではどうするか。
条件が読めないわけだから、その最大公約数的なところを狙うと、まんべんなく80点が取れる回答になる。つまり、
「エスプレッソの抽出からカップの出来上がりまでをなるべく急いで、ミルクは通常より少し熱めにする、たんぱく質が凝固しすぎない程度、そう、70度に近いくらいにするともし少し歩いたとしてもまだまだカップ内の液体は50度くらいはある筈だ、50度あればぬるいとは感じないだろう」
というあたりだろうか。
なんて、そんなのヤダね。これって店の都合でしょ。お客さんの都合に合わせているようで合わせてない。というか合わせる気がない。
手で持って帰る人ならすぐ飲むかというと、持ち帰ってオフィスで飲むんだとか、車に乗ってからゆっくりと飲むんだという人もいるだろうし、ほんとにそのお客さんがいつ飲むかなんてお客さん本人しかわからない。
というわけで当店ではお客様すぐ飲みそうにない場合にはできるだけ、すぐ飲むのかどのくらい持ち帰りの時間があるのか、チンチンまで熱くしたほうがいいか、ぬるめでもOKか、というようなことを聞くようにしている。
僕はほかのテイクアウトのお店で「コーヒーのお持ち帰りの時間は?」と聞かれたことが無い。
このサービスって、お金も手間もかからないから、どこのテイクアウトできるカフェでも、やればいいのにって思う。
サンシャインステイトエスプレッソでは、お急ぎや特にご指定いただかなかったお客様へは、これからもこのサービスを続けて行きます。
このサービスがテイクアウトのスタンダードになるといいな。


Published in エスプレッソ技術

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