目の前には使ったことのないエスプレッソマシン、そしてグラインダ。今からエスプレッソを抽出しなければならない。もちろん、条件を設定するためにものすごく長い時間を取れるなら、ベストのセッティングが出るまで延々とやってりゃいいのだが、たいていの場合そうはいかない。こういう状況の場合、なぜか短時間(少ないショット数)でちゃんとしたエスプレッソを抽出しなければならない、ということが多い。
さて、そんなときどうするか。
まず第一に僕のやり方が参考になるかどうか、そして第二にそんな危機的状況でこのブログ記事を思い出せるか、そして第三に「そもそもそんな状況になることが想定できません」という至極当たり前なツッコミを頂戴しそうだが、まあ備忘録的に書いておきます。
まず、大事なのはグラインダである。適切なメッシュにグラインドできることである。
普段、エスプレッソ用に挽いてるメッシュがどのくらいか、指で確かめておくことは非常に重要だ。見たことのないグラインダでも、基本は豆を挽くだけの機能である。ホッパに豆を入れて試し挽きして指で触ってみて、いつものメッシュに近づけておこう。
さて次にエスプレッソマシンにとりかかる。
ポルタフィルタに適当に詰めて抽出してみる。普通に詰めれば(リブ付きのバスケットなら、リブのトコくらいが目安)いいのだが、そのときのドース量をちゃんと覚えとく。普通に詰めて、グループにポルタフィルタを装着するときにスクリーンに当たることは無いと思うが、当たるようならそれはちょっとドース量が多い。
で、抽出は25秒25ccくらいを狙ってみる。
もし最初に「ツー」と出てしまい、後半の液が粘性が無いのであれば、メッシュが粗い。逆に最初に「ポタポタ」としか出ず後半もなかなか抽出速度が上がらないなら、メッシュが細かい。言うまでもなく、当たり前である。
ここから調整をしていくわけだが、バスケット内のケーキを見て、触って確認をしながら行う。
もちろん、抽出が失敗していないかを確認するわけだが、チャネルができてないか、スクリーンのネジの跡とか表面の荒れ方、ケーキの硬さなどを確認しよう。
さて、数ショットでだいたいメッシュが合った、というところまでは来るはずだ。
そしたら今度は、味づくりである。
(慣れてきたら、メッシュ合わせと同時進行で味づくりをしても良い)
だいたい合ってる、というメッシュでドース量を多くして(いや、しなくてもいいかも)抽出する。片方のスパウトのショットはリストレットで抜く。そのリストレットの風味を覚えておく。次にメッシュを少し細かくする。当然、抽出は前回より遅くなる。そのリストレットの風味と比較する。フレーバーがドーンと出た、と感じないようであれば、先の回のメッシュで良いし、フレーバーに増加が見られれば、細かくできるということだ。
もう片方のスパウトのショットはどこまで液体が耐えているかを見る。粘性が落ち、白くなったらアウトだ。早く白くなってしまうのであればドース量の増加を検討する。そして、白くなってからの風味(過抽出の風味)を覚えておく。白くなってもダラダラと抽出していると明らかに美味しくなくなるので、美味しくなくなるまで抽出しない、としてもらえば良いかと思う(*1)
そして、その間の「いいところ」を探るわけだ。大雑把に言うと、こうなる。
『細かく、多くする限界はどのへんか。風味の質の変化させるならメッシュ、風味の量を調整するならドース量』
大雑把すぎるって? いいのいいの、緊急用な話なんだから!
*1)抽出液が過抽出と言われる領域に入ってからも少しであれば、ショットグラスの液体に混ざりこんでも良いのではないかと考えている。風味の幅が広がるなどポジティブな要素もある。
初めての機材や場所だったりでエスプレッソを抽出するときのセッティング出しにお困り?
Published in エスプレッソ技術
ペーパードリップの記事、とても興味深かったです。難しくキチンと消化できないのでコメントできませんでした。休みになったらゆっくりしっかり読み直します。プロはペーパーであっても同じ味を抽出されるのでしょうね。毎朝ペーパードリップで飲んでいますが、同じ豆であっても明らかに味が違い、それがどうしてなのか分からないです。美味しいと思える範囲なのでマイイカでやり過ごしていますね~。
なが~くエスプレッソ関連に自分では手を出さなかったのですが、最近若者の珈琲への興味がラテアートからが多いようですのでとうとう家庭用マシンとミルでエスプレッソ、ラテアートを始めました。全くのシロウトなのでわからないことが多すぎて文章も理解できないところが一杯です。
「片方のスパウトのショットはリストレットで抜く。」???ん?・・ここから一歩ずつですね~!がんばります。学生はただミルクが浮かんでいるだけで喜びます。卒業までには何とかきれいなハートぐらいは描けたら良いナァと・・いっしょにわいわいやっています。
カプチーノとかそんなに飲まなかったのですが美味しいですね。
コーヒーの世界はホントに広いです。たくさんの楽しみ方に興味が尽きません。
猫ちゃんの記事とっても面白いです!!
珈子さんこんにちは!
ペーパードリップ、ほかの抽出方法に比べて簡単とか難しいとか一概に言えませんけど、同じ味を出すのはけっこう難しいですねえw だからこそハンドドリップ選手権というものが成立し得るのだと思います。
ご自身で飲まれるコーヒーなら、美味しいと思えばそれでいいと思います。より自分の好み通りに抽出したいというこおであれば、少しずつ手間をかけていってあげれば、近づいていくと思い益代。きちんと計量したり、温度を計ったり。お湯を注いだ量ではなくてサーバーに落ちた量を計ったり。
でも、そういうことをしなきゃならないということではないです。適当に淹れても美味しいもんは美味しいです。好みの追求と手間、天秤にかけてください^^
エスプレッソは、今は家庭用も手を出しやすい価格で、おウチでもやられている方が増えてますね。圧力をかけて抽出するというのは、自然落下式や浸漬式とまた違った味わいになるので、面白いです。それにエスプレッソなら、ラテアートというお楽しみもありますしね!
コーヒーはまず楽しく飲む、次に美味しく飲むことを考える、くらいの感じでいいんじゃないでしょうか(笑
コーヒーを楽しんでください~!