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トールサイズ一杯のコーヒーの値段は

トールサイズのブラックのコーヒーを仮に330円とする。
あなたが支払った330円の内訳はこうだ。

というのは「おいしいコーヒーの真実」という映画で紹介された話。
10グラムで一杯のコーヒーが作れるとして、10グラム当たりのコーヒーの価格を、どの段階の人がどれだけ取っているかという計算をするとこうなるわけ。
よく言われる「コーヒーを買っても農家にはほとんどお金が行かない」というのが、この図から導かれるわけ。
ある面では、まさにこの通りである。実際に、カップオブエクセレンスなど価格が公開されているものを追ってみると、先進国のカップ売り末端価格(なんかあぶない言い方だなあw)はずいぶんと高くなっているのがわかる。
わかりやすくするために、10g(カップ一杯分のコーヒーの量だ)単位で話をする。あと、面倒なんで全部円で計算する。もひとつ、一応「おいしいコーヒーの真実」記載の図(冒頭の図)にそって話をする。
生産者から10g当たり3円で売られたコーヒーが、日本に輸出されるときには10gで23円になる。そして日本の商社から自家焙煎店に売られるときは35円になる。それを焙煎してカフェに卸すときは50円、そしてカフェでお客さんに販売するカップはなんと10gあたり330円になるわけだ。
(あくまでもモデルケースです)
なんとまあ産地の人に行くお金の少ないことよ!
もっとフェアな取引をしなきゃならん!
というようなことを視覚的にあらわした図、である。
(ものすごく単純に言えば、です)
しかし、別の見方をすると、別の真実が見えてくる。
お客さん目線で見ると、コーヒー代のほとんどはカフェに対して支払ってるわけね。
カフェで飲むということは、カフェで330円払うっていうことは。
産地の人に3円
現地の流通の人に20円
日本の商社さんに13円
焙煎する人に15円
カフェの人に280円
を払ってるってことになる。お客さん目線で、ね。
そしてその目線を今度はカフェの人目線にする。
カフェの人は、お客さんからいただいた330円のうち、産地の人の3円分、現地の流通の人の20円分、日本の商社さんの13円分、焙煎する人の15円分を代理で受け取ってるってワケ。
お客さんがもしそのカフェでコーヒーを飲んで帰って、不満だと思ったときは、そのカフェは産地の人の3円分~焙煎する人の15円分に対して不満を持たせてしまったってことになる。
もし産地の人~焙煎する人まで問題なく素晴らしい仕事をしていたとしても、彼らの努力が水の泡になってしまうのだ。
また、カフェの人はお客さんに対して産地の人の3円分~焙煎する人の15円分までの責任を負うことになる。堂々と330円をいただこうと思うなら、そのカフェの中でお客さんをお迎えしてからお送りするまでの全てのことに加え、良い産地(生豆)から良い焙煎までの全てにその代金通りの価値を持っているものを選び、お客さんに提供しているんでなければならない。じゃないと、お客さんに対して不誠実だってことになるよね。
なんとまあフロントエンドのカフェの大変なことよ!
とまあ、一枚のインフォグラフィクも見方によって違ったものに見える。
情報は、素直に与えられた面から見るだけでなく、そうでない面をいろいろと探して見てみるとすごく面白いし、その情報を公平に判断することができるね。
僕みたいにひねくれてモノを眺めるという態度も、こういうときには役に立ってるんじゃないかと思う。
皆さんもどうぞひねくれて情報を眺めてみてください。きっとその情報が持つ別の面を見ることができると思うよ。


Published in ビジネス

8 Comments

  1. こんにちは
    先日もBSで産地の人の労働を観ました。
    まあ、コーヒーに限らず
    何ごと知らない裏側というものは
    複雑怪奇であることがほとんどですが、
    いずれにせよ、
    人の手を通ってきた思いを大事にしていきたいと思います。

  2. ホゼ ホゼ

    Damselさんこんにちは!
    産地の話、流通の話、大手食品メーカーの話、聞けば聞くほど奥が深いというか複雑でわかりにくいです。
    その中でフロントエンドのカフェがお客さんに責任をもってコーヒーを販売すること、これ大事だと思います。
    産地の人から始まって流通、焙煎と流れてきたものをきちんとお客さんに示すことが、カフェの責任なのかなと。

  3. 珈子 珈子

    私はアマチュアですから本当の情報が入りませんので手軽に安心したいために、認証コーヒーや豆屋さんの売り文句で買ってしまいますね~。
    以前日を置かず九州から東北まで新幹線に乗ったのですが、東海道だけは「かえるマーク」がついていまして一番おいしかったです。
    ただ認証してもらうにはお金がかかり、美味しいコーヒー=認証にはならないようで残念です。
     でも丸山さんや堀口さんが直接現地に行かれ、努力して美味しいコーヒーを作られたらそれなりの代価で購入されるので弱小の農園でも頑張りがいがあるのかなあ・・と分からないなりに思っています。残念なのはアマはその豆は買えないこと・・・です。
     コーヒーのブログで皆さん取り上げていらっしゃる飲み物・・・私は飲まないことにしました。でも1回は自宅で炭酸水で割ってみます(笑)
     そのカップは分かりやすいため良く説明に使います。
    「援助よりもう少しでいいから豆を高く買ってください」と言いたいという記事を読んだことがあります。コーヒーに限らずその人の生活を脅かすほどの安値の売買は下品ですよね。
     ただそのためには自分でも賢い消費者にならなければなりません。良いものを選べる勉強をしなければ・・と思います。

  4. ホゼ ホゼ

    珈子さんこんにちは!
    認証コーヒーを購入することで社会に役立ってるのは、間違いないと思いますので、それは続けていって良いかと思うんですね。
    でも認証コーヒーでも美味しくないのがある、そういう場合は買わなくてもいいかもしれません。コーヒーは嗜好品ですから、認証のために買うというのも否定しませんが、どうせなら美味しいと感じるものを飲んだほうがよさそうな気がします。
    重要なのは、自分が美味しいと思えばそれでいいんじゃないかということです。美味しいと思うコーヒーを買うということは、その生産者を(大手ロースターや商社に比べたら消費者一人の力はとても微力ですが)応援していくことにつながるのだと思います。

  5. 珈子 珈子

    カフェグッズの営業さんのブログで移動販売をお止めになることを知りました。
    はじめることも難しいけどやめるのも難しく勇気が要りますね~!いつか行けたらナァと考えていましたので淋しいです。でもこれから次の段階にいらっしゃるんですよね。
    どうぞブログは続けてくださいますように・・・。
    お疲れ様でした。

  6. ホゼ ホゼ

    珈子さんこんにちは!
    そうなんです。残念ながら移動カフェはこの三日間の営業で終了となります。
    二年半の歴史に幕、本人が一番淋しくおもってます。
    とは言え、この先はコーヒーとの関わり方が少し変わるだけなんで、どっちにしろコーヒーからは離れることはないんですがw
    ブログもまだまだ継続して行きますんで、今後ともよろしくお願いします!

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