Skip to content →

続・ローストについて

エスプレッソコーヒープロフェッショナルテクニック(デヴィッド・ショーマー著)の、豆とローストに関する章を読んでみた。
曰く、
「・・・豆の表面のオイルが出る前にローストを止め、深いマホガニー色になった豆が最も良い・・・イタリアでも地方によりローストが違う。北はチョコレート色か深いマホガニー色、中央は豆の表面がうっすらとオイルで光る程度に深く、ナポリより南では豆に大量のオイルが付着し非常に濃い茶色である。そのため、エスプレッソは南に行くほど量が少なくなる・・・ストレートよりブレンドしたほうが複雑なカップに仕上がる・・・アラビカ種至上主義な北米に対し、多くのイタリアのロースターは少なからずロブスタ種を入れることを好む・・・北イタリア風のエスプレッソにしたければ、酸味の少ない豆を選ぶべきだ・・・」
ここを出発点とし、豆とローストについて、考えていくことにする。
デヴィッド・ショーマー氏が言うところがきちんと分かれば、少なくとも余り間違った方向に進むことは無いだろうからね。
まずはコーヒー豆について調べよう。
アラビカとかロブスタってコーヒーの木の種類だよね?
全日本コーヒー協会というところで情報収集。
◆コーヒーの木とは
コーヒーの木は、カフェインなどのアルカロイド類を多く含むアカネ科に属する熱帯性低木です。
種を蒔いて3年目くらいから最初の花をつけます。花が咲いてから約8ヵ月かけて緑色から真っ赤な実に熟します。
4~5年経過したころから収穫量が多くなり、手入れをよくすれば30年くらいの間収穫をあげることができます。
コーヒーの木には多くの種類が有りますが、現在商業的に栽培されているのは、「アラビカ種」「カネフォラ種」の2種です。
・アラビカ種
世界の多くの国で生産されており、コーヒーのおよそ3分の2がアラビカ種です。アビシニア(現、エチオピア)が原産地だといわれています。高地で栽培され気象条件や病害虫の影響を受けやすい品種です。酸味と香りが特徴です。
主にレギュラーコーヒー用。
・カネフォラ種(一般に「ロブスタ種」と言われています)
低地でも栽培され病害虫の影響を受けづらい品種です。苦味とコクが特徴で、19世紀にコンゴ奥地で発見されたのが始まりです。
主にレギュラーコーヒーの増量用、インスタントコーヒーや缶コーヒー用。
◆主なコーヒー豆
モカ
エチオピア産ハラー地区でとれるアラビカコーヒー豆をモカハラー。イエメン産のアラビカコーヒー豆をモカマタリ。独特の香りとまろやかな酸味とコクがある。
マンデリン
インドネシア スマトラ島でとれるアラビカコーヒー豆。深いコクと滑らかな苦み、酸味のバランスが良い。
ハワイ・コナ
アメリカ ハワイ島でとれるアラビカコーヒー豆。バランスの良い、豊な酸味と甘い香りがある。
ブルーマウンテン
ジャマイカ ブルーマウンテン地区でとれるコーヒー豆。酸味、甘味と全ての調和が取れ、風味、芳香が優れている。
コロンビア
コロンビア産のコーヒー豆。甘い香りと柔らかな酸味とまろやかなコクがある。
ブラジル
ブラジル産のコーヒー豆。柔らかな酸味と適度な苦みと香りがある。
グァテマラ
グアテマラ産のコーヒー豆。甘い香り、上品な酸味、芳醇な風味を持つ。
カロシ、トラジャ
インドネシア、スラウェシ島でとれるアラビカコーヒー豆。カロシ地区産がカロシ、トラジャ地区産がトラジャ。キレのよい上品な苦みと甘味がある。
キリマンジャロ
タンザニア産のアラビカコーヒー豆。豊な酸味と甘い香り、上品な味わいがある。
◆コーヒーができるまで
コーヒーは、種を撒いて3年目くらいから深緑の2枚の葉の間に小さな白い花を咲かせます。そこに緑色の小さな実が現れ、花が咲いてから約8ヶ月かけて深紅色に熟したら収穫となります。収穫後は脱肉、水洗、乾燥、脱穀、選別などの精選作業が行われます。
次いで、カップテスト、サイズなどによる等級選別作業を経て麻袋詰めされ港から船で輸出されます。その後輸入されたコーヒー生豆は品質鑑定を受け、各工場へ到着すると、用途ごとに分類され、カップテストなどのチェックを受け、様々な製品になります。
◆焙煎
コーヒー製品化の過程で、焙煎(ロースト)の工程は非常に重要な意味を持ちます。
コーヒーの生豆は青くさいだけで、コーヒーらしい味も香りもほとんどありません。それが焙煎することにより、皆さんがお使いになる茶褐色のコーヒー豆になり、同時にコーヒー本来の味と香りを作り出します。さらに、産地により異なるコーヒー豆の味の特徴や、その独特な香りを引き出すのも、8割が焙煎によって決まると言われているほどなのです。
焙煎方法は、生豆の種類や特徴、使い方を考慮して時間と熱を変化させ、その度合いは浅炒り、中炒り、深炒りの3段階に大別されます。
一般には、浅炒りほど酸味が強く甘い香りが際立ち、炒り方が深くなればなるほど、酸味が失われ、苦味と香ばしさが出てきます。
浅炒りはアメリカン・コーヒーに、中炒りは家庭や喫茶店で多く飲まれるレギュラーコーヒーに、深炒りはエスプレッソコーヒーやアイスコーヒーなどに用いられます。
◆ブレンド
味の創造、独自性の発揮、品質の安定化といった目的のため、コーヒーはブレンド(配合)されます。
味の創造と独自性の発揮では、種類の異なるコーヒー豆をブレンドして、1種類の豆では出せない新しい香り、酸味、苦味などの味の調和を引き出します。
また、品質の安定化という面でも、ブレンドは欠かせない技術です。コーヒー豆は産地や品種によって、香りや味に多様な特徴があります。また同じ産地や品種であっても、豆の収穫時期の違いや作業工程の違い、さらに焙煎の度合いなどによっても風味に違いが生じます。ですから、常に一定の風味をつくり、維持するためにもブレンド技術が必要になるのです。
・・・というわけで、ざーっとコーヒー豆について学んでみた。
次回は、豆について掘り下げてみようと思う。


Published in エスプレッソ技術

Comments

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です