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コーヒービジネスで僕が大事にしている3つのこと(5周年編)

2010年2月13日、僕たちのコーヒービジネスの第一歩を踏み出してからまるっと5年が経った。
統計によると、個人事業、なかでも飲食店で5年も続けるのはなかなか難しいそうだ。ある調査によると非チェーン店で5年続く飲食店は2割に満たないと言う。

5年経ってみて、SSEをなんとかここまでやってこれた理由というのはコレなんだなと思うことが3つあるので紹介したい。

僕が大事にした3つのこと

・絶対に失敗しないという自信を持つ
・誰の意見も聞かずあらゆる人の良いところを盗む
・仕事は楽しい

自信とは自分を信じること

・絶対に失敗しないという自信を持つ
そんなの無理だ、と言わないで欲しい。不可能なことでない限り、なんでも可能なのだ。可能なことをやるのであれば、十分に準備をすればその確率は100%に限りなく近づく。つまり、失敗してはいけないことに対しては、ちゃんと準備をすることで失敗の確率をほぼゼロにすることができるのである。それが10年後に1割しか生存していない飲食店ビジネスでも、だ。
段取り八分というが、ビジネスをスタートするときも、毎日の営業をするときも、新商品を出すときも、いつだって準備がもっとも肝心なのである。
ではどのくらい準備をすればいいのか、というと、これはもう準備はこれで足りたなんてことは絶対に無い。絶対に無いのである。どれだけ準備をしても探せばもっとやることがあり、不足しているところがどんどん見えてくる。
一生懸命勉強して、一生懸命練習して、実際どうなるかシミュレーションして、どんなに頑張ってもやっぱり準備が足りないと思うわけ。Aという方法では難しいとなればBという方法でやってみる、自力でできなければ協力者を頼む、お金を使って機械化や自動化を図る、それでも全然準備が整ったなんてことにはならない。こんだけやってもダメか、もうちょっとやってみよう、あと少しやってみよう、そうやってコツコツと積み重ねたことが、それがたとえ万端な準備と言えなくとも、自分を信じる根拠になるのである。
どれだけ準備しても準備が足りるということはない、ということと、十分に準備をすればそれが自信につながる、というのはパラドクスのように聞こえるかも知れない。しかし、足りない足りないと貪欲に準備をしたその過程が自信となるのである。やるだけやった、そう思えれば、たとえ失敗することがあってもそれはもはや自分のせいじゃなくて天災だと、そこまで思って毎日を過ごせば自ずとやるべきことは見えてくるし、やればやっただけの自信がつくというものだ。

お宝をくれる人はいない

・誰の意見も聞かずあらゆる人の良いところを盗む
ビジネスを始めようとすると、あるいはビジネスをスタートしたら、いろんな人がいろんなアドバイスをくれる。
この人たちはなんで親切にこんなにいろんなことを教えてくれるんだろう? へへえ、そんなことは知らなかったよ! と一見役に立つことを教えてもらっている(しかも無料だ)ように思うのだが、これは全部まるっと無視しよう。通常、他人の意見に頼りたくなるときは「ビジネスをスタートする不安なとき」「すでにスタートしたビジネスがうまくいかなくて不安なとき」「とにかくなんだかわからないけど不安なとき」要するに不安なときだ。そういうときは、相手が誰でも知らないことを教えてくれる人は有難く思うものだ。しかしたいていの場合、自分のビジネスの課題を最も良く知っているのは自分であり、ちょっと見ただけであれこれアドバイスをする人たちは的が外れているかそもそも矢を射ってないことが多い。アドバイスの押し売りには耳を傾ける必要はない。
では、どうやって課題を解決していくのか。そこに他人の意見やアドバイスは必要ないのか?
業界の先輩や仲間、業界とは関係なくビジネス上つながっている人、あるいは学生時代の友人や今までに知り合った人たち、はたまた尊敬する人目指す人などなど、周りにはたくさんの先生がいる。ただしこの先生たちはこちらが勝手に先生と思っているだけで向こうはこっちを生徒とは思ってない。だから、何か教えてくれるということはないのだが、こちらが勝手に教えてもらうというのは自由である。自分のビジネスで課題となっているものを解決できる方法は、必ずあるはずで、それを実践している人もいるはずなのである。周りを見渡してそういう人を見つけたら、教えを乞うなり技術や方法を真似るなりする。
後日、教わった人に「あの時は大変助かりました、あなたのあれを真似したら課題がすっかり解決しました」と言うと「何、そんなこと?言ってくれれば教えたのに!」となったりする。そうなのだ、あなたにとって「そんなこと」がこれほど僕にとってとてつもなく有益だということをいつだってあなたは知らないのだ。

Always Look on the Bright Side of Life

・仕事は楽しい
見出しで使った英文は、モンティパイソンの劇中で使われた曲名で、直訳すれば「人生の輝かしい面をいつも見よう」といったところか。人生もそうだが、仕事もそうだ。
どんなに自分がやりたい職業だとしても、どんなに憧れた職務だとしても、その仕事の中にはちょっとやりたくないような面倒くさいような部分が混じっている。100%楽しいことばかりの仕事などは無いはずだ。僕も人であるからして気分が良いときと乗らないときがある。365日体調も気分も最高なんてことはない。だがしかし。
コーヒーを淹れるのは楽しいが皿洗いはつまらない。お金をもらうのは楽しいが経理をやるのはつまらない。皿洗いや経理をやらないわけにはいかないので、それらつまらないと思える仕事の楽しい部分を探して、無理やり楽しいことだと思ってやればいい。体調がすぐれなかったら仕事は辛いものに思えるだろうし、気分が乘らなかったらいつもならすっとできる仕事が大変に思えるだろう。そういうときに仕事を休むってわけにはいかないので、少々体調や気分に難ありの日でも笑って働けばなんとなく楽しい日に思えてくるから不思議だ。
しかし人間の思い込みには限度というものがあって、さすがに「その仕事は楽しいと思うのは無理!(誰だトイレを汚したのは!)」とか「なんでこんな日に働かなきゃいけないの・・・(身内に不幸がありまして)」とかいうときが時々やってくる。そういうときはどうするか。
そういうときの記憶はすっぽりと頭から抜け落ちております。そこさえクリアすれば、その日さえなんとかしのげれば、というときは記憶がワープしております。そこをクリアした後、あるいはその日をしのいだ次の日から記憶が再開しております。まあ、自分自身をご都合主義的にいいところだけ体験させてやって、残りのイヤーなところは自分の中の別のだれかが済ませてくれたということにしとくわけ。
そうするとあら不思議、仕事はいつも楽しい面ばかりでちっともイヤな面が無い! ということになる。すなわち、仕事って楽しい!のだ。
よく、いろんな人に「大変だね」と言われるんだけど、それは正解です。零細自営業、けっこう大変です。そしてよくいろんな人に「楽しそうだね」と言われるんだけど、それも正解です。仕事って楽しいです。だから大変でも続けられるんです。

まとめ

3つの大事なことは、三段階の心構えでもある。
まず第一に、何かをやるときには十分に準備をすること。
ビジネスをスタートするときというような大きなタスクでも、新商品投入という小さなタスクでも、どんなことでも準備が大事である。
第二に、タスクに対して足りないところや課題を発見してそれを解決すること。
アドバイスというのは、くれる人の都合や考え方で左右されるが、自分が切実に知りたいことは微妙に(あるいは大幅に)それじゃない。自分の知りたいことは自分で探せ、教えを乞え、盗め。
第三に、常に楽しく継続すること。
笑う門には福来るではないが、楽しく仕事をすれば、お客様もそのビジネスを利用するのが楽しいだろう。このビジネスは利便性を売ってるんじゃない、豊かな生活を売ってるのだ。

おまけ

三つめの「仕事は楽しい」は、モンティパイソンの劇中歌Always Look on the Bright Side of Lifeからインスパイアしたものたが、この曲はwikipediaによれば

翻訳すれば「(深刻にならずに)人生の輝かしい面を見よう」という歌詞であるが、映画『ライフ・オブ・ブライアン』では、主人公であるブライアン(グレアム・チャップマン)が磔刑にかけられて死にゆく真っ最中に、同じく磔刑にかけられている囚人たち(エリック・アイドルほか)の合唱で歌われている。

だそうである。
実際、人生には輝かしくない面もたくさんあるのだが、それをいちいち数えていたらキリがないわけで、どんな逆境にあっても、輝かしい面だけを見れば人生は楽しいよね、と思う。
辛いと考えるか、楽しいと考えるかは、それこそ本当に考え方次第。この三つめの「仕事は楽しい」という気持ちを持ち続けていくことが大事なのかなと、笑う門には福来る的な意味合いで思ってる次第である。

おまけ(その2)

次は10周年の時に書きたいと思う。


Published in 未分類 雑記

2 Comments

  1. ホゼさんご無沙汰しております。

    うちも零細自営業です。
    で、そろそろ確定申告ですね。
    深刻になって思いつめてしまえば
    その世界にドップリですが、
    本来
    宇宙そのものには意図も目的もありませんし、
    私たち人類も「何かに 向かって行かねばならない」
    というわけでもありません。
    もし
    私たち人間の認識の外側にある 遠い惑星から見たなら、
    盲目的な生きんとする意志で存在している生物
    なんだと思います。
    ですから、
    ほんとうに
    「深刻にならずに」ってのが
    イチバンですね。

    • ホゼ ホゼ

      Damselさんこんにちは!
      確定申告の季節ですねえ(泣 ウチも残りの日数を数えながらすったもんだしております。
      SSEもそうですが、小さなお店というのはどうしても不安定にならざるを得なくて、でもそういうところに一喜一憂していると身がもたない、というところがあると思います。開き直って、良い時には大喜びして、悪いときは深刻にならずにたんたんと過ごすというのがいいような気がします(と言いながら悪いときに思いっきり落ち込んだりするんですが)。

      自営業同士、楽しくがんばっていきましょう!

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