えーっと、タイトル見たまんま、流行りに乗っかったエントリです。
コーヒーに関しては一般人な友人某氏が、そういえばコメダ珈琲が近所にできるというチラシが新聞に入ってたということと、そういえばテレビでブルーボトルなるコーヒー店が日本に来たということを思い出して、僕に聞いたのがタイトルの質問である。
「ねえ、あの有名なコメダ珈琲がとうとううちの近くにもできるんだ、あそこってコーヒー美味しいの? あとこないだテレビでブルーボトルってアメリカのコーヒー店が日本進出だって言ってたけど、そこって美味しいの?」
それに対する僕の答えは「どちらも行ったことが無いので、わからない」というものだった。事実だからそう答えるしかない。しょうがない。
美味しいかどうかというのはどのくらい重要なのか
結局美味しいか美味しくないかというのは二人ともわからないし、味についてあれこれ推測しても始まらないので、もし美味しければどうなのか、もし美味しくなければどうなのかというのを少々論じてみることとした。
ちなみに僕はコーヒー業界にいる人で、テレビを所有していないのでネットおよび紙媒体からの情報による判断、友人某氏はまったくコーヒーに関係ない勤め人でコーヒーに対してそんなに興味はなく、一般的な程度にはテレビを視聴していてコメダやブルーボトルについてはテレビでの情報がほとんどの様子である。
コメダ珈琲の特徴三つ
僕の印象では、コメダ珈琲の特徴を三つ挙げると
・名古屋発祥だけにモーニングサービス
・シロノワールの知名度すごい
・郊外型で日本中に続々出店中
某氏の特徴三つはというと
・コーヒーにパンが付いてるんでしょ
・甘いパンケーキみたいなヤツ
・家族連れで行けるんでしょ
である。
ブルーボトルの特徴三つ
こちらは僕の印象だと
・ファウンダーから巨額の資金を調達できる唯一のコーヒー店
・コーヒーについてやってることは割とオーソドックス
・標準化みたいなところに注力しているんで日本でも品質は保証バッチリだろうなあ
某氏の
・日本にはいままで無かったようなコーヒー店なんでしょ
・一杯ずつ淹れてるって言ってた、すごいね!
・オシャレすぎる、行く人もおしゃれな人ばかりなんだよねー
である。
コーヒーが美味しくなかったら行かないの?
某氏に、コーヒーが美味しいかどうかは二人とも行ったことないからわかんないけど、もしもだよ、コーヒーが美味しくなかったら行かないの?って聞いてみた。
そしたら「コメダはシロノワール(甘いパンケーキみたいなヤツはシロノワールだと会話の途中で判明)食べたい、どうしても食べたいから行く」とのこと。ブルーボトルは「あそこに着ていく服が無いから美味しい美味しくない関係なく行かない。ちょっと行く勇気が出ない」とのこと。
ううむ、コーヒーの味は関係無くなってきてるぞ。
それならと、じゃあすんごい美味しいコーヒー、それも「ソコでしか飲めない」って希少なコーヒーだとしたらどう? って聞いてみると、意外や意外、反応としてはまったく同じで、シロノワールが食べたいというのとオシャレ過ぎて無理という回答だった。
まったくコーヒーの話にならない反応にむむむ、と思って、単刀直入に、じゃあコーヒーに関して行くか行かないかの動機づけになるようなことはないの? と聞いたら「コメダはコーヒーを注文するといろいろついてくるからお得感がある、ブルーボトルは一杯ずつ淹れるから丁寧な感じがする」とのこと。やっとコーヒーに関する意見を聞けた。
コーヒー業界内にいる僕は、あんまりそこにメリットがあるように感じないんだけど、そこ大事なのね。
業界の中から見るコメダ珈琲とブルーボトルは、外から見るのとまったく違った景色であった
たぶん、この某氏なる人物はコーヒーに関して言えば完全に一般人でニュートラルな人だと思う。その某氏しかサンプルが無いので「これこれこうだ!」と断じるのは少々乱暴に過ぎるとは思うけれども、まあ中らずと雖も遠からずということで良かろうと思う。
彼に言わせればコメダ珈琲はシロノワール屋さんでコーヒーにはトーストとかついてくるから得だ、と。
ブルーボトルはオシャレ屋さんで一杯ずつコーヒー淹れるから丁寧なんだ、と。
なんとなく、彼の言うこともわかるし僕の考えていることとも微妙に一致しているわけで、業界内と業界外からの目というのはあんまり変わらないのかなーとも思ったりしたのだが、ちょっと考えたらずいぶんと違うところがあることに気が付いた。
それは、コーヒーの味で行くか行かないかを決めるということは無い、ということだ。というか、そのコーヒー店で気にするべきことのうち、コーヒーの味というのはものすごく小さな割合しかないということだ。
業界内にいるとつい「あそこのコーヒーはどうたらこうたらで」などとコーヒーの品質を気にしてしまいがちで、コーヒーの品質に関する情報を集めてしまいたくなるし、それでそのコーヒー店を評価してしまいたくなるのだが、いやいや一般の人はコーヒーの味を(全然とは言わないが)気にしてはいなかったのだ。その証拠に、ブルーボトルは一杯ずつ淹れるから丁寧と言ってサービスの質を評価しても、一杯ずつ淹れることによる味の向上などについては言及されることは無かったし、コメダはパンが付いてオトクだとは言っても、あの値段で美味しいからオトクだなどということも無かったのだ。
まとめ
強引だけど、一般的な消費者がそのコーヒー店に行くか行かないかというところにおいて、コーヒーの味というのはあまり要因として働かないようだ。もちろん、リピート率などというようなところでは味というのは作用する率が上がるだろうけど、初動というところで言えば、そうらしい。
あそこが美味いらしいから行ってみよう、などと思うのはすでに一般的な消費者ではなく、熱心なコーヒーファンであったり、あるいはコーヒーに関する感度の高い人たちだったりする人たちなのだろう。
あなたの店が(あるいは僕の店が)どういう人たちに来てもらっていて、これからどういう人たちが来るのか、ということとずいぶん関係がありそうで、そして業界内にいるとなかなか目が向かないようなところだなあということを考えさせられた出来事だった。
おまけ
コメダが全国的に有名なのはわかる。すごい店舗数があるし、誰でも行くチャンスや可能性があるから気になるのも頷ける。でもブルーボトル、あんたはすごい。ついこないだ日本に来たと思ったら、全然コーヒーに興味のない人にまで、しかも東京に一軒きりしかなくて、ほとんどの人は生活の中で行く機会など無さそうなのに、みんな知ってるよ。ジェームス、あなたはもうすごい有名人だ。この調子ならきっと今年の流行語大賞にはブルーボトル・・・はさすがに言い過ぎかもしれないね(笑
ホゼさんこんばんは
大なり小なり 物事を ガチガチに判別するのが、
最も難しいですよね。
この世の争い事の根本的要因かもしれません。
おそらく、
人間には、同じ価値観を持った集まりを成す、
という習性があるのかもしれません。
美味しい とか 不味い と言う 味 云々よりも
そのお店がそのお客さんにとって
総合的に好きか嫌いか?の 割合が多い?かとも思います。
そうして、
同じ店を好むお客さんという
同じ価値観を持った集まり、
という行為をすると ドーパミンが増える?
で、その集合体を批判されると攻撃に出る?
まあしかし
一般的に そんな哲学的考察などしながらコーヒーを飲む人は
少ないとは思われますが。
私のコーヒー好きな友人たちの話しを聞く限り、
「あたし
コーヒーが無いと生きていけないほど好きなの!」
と、
味覚は一致してはいないと感じております。
よって ホゼさんが仰るとおり
コーヒーの味というのは
あまり要因として働かないと思われます。
Damselさんこんにちはー。
コーヒーの味だけでお客さんの多寡が決まるというものではないのは、コーヒーを飲むということはその雰囲気なども含めて楽しむということだからというのは、あると思います。味だけでお客さんの多寡が決まるということは無いでしょう。
難しいことを考えても、難しいことを考えずとも、美味しく楽しくのめれば、その人にとっては価値ある一杯であるというのは間違いないです。美味しく楽しく飲んでもらうために、どの店も苦心しているのでしょう。そのベクトルは違うしターゲットとなる層も違うにしろですね。
僕もお客さんとしてコーヒーを飲むときは、味よりも雰囲気を楽しんでます(笑