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問題を切り分けると問題が簡単になる

このブログの読者の方から、こんな話をいただきまして。

(オスカーが)以前のような湯温、湯の圧力にならず、湯の出具合も安定しなくなりました。

はてさて。どこが悪いのでしょうかね。
問題が多すぎる(湯温、抽出圧、抽出の安定と三つの問題がある)し、それぞれ単独で症状が出るのか、全部まとめて症状が出ているのかがわからない。
というわけで、こんな回答を差し上げてみた。

オスカー不調ですか? 症状だけだとちょっと判断しにくいですが、水位センサの汚れによる問題は、ボイラー内の水位だけに影響しますので、湯温サーフィンや抽出圧とは関係が低そうに思います。主に影響するのはスチームの持続力と抽出湯温の持続力です。
全体に影響が出そうなところというと、電源かなーと思います。
電源が原因だとしても、ある程度電圧が供給されてない場合は抽出そのものができなくなるので、抽出できているのであれば電圧は供給されていて、オスカーの回路的に電気をきちんとデリバリーできてないのかなーと想像します。
にしても、湯温はサーモスタットの問題なので、電源は関係無さそうです。
抽出時にグループじゃなくドリップトレイにお湯が出る→電力供給不足(ポンプ不良の場合も)
湯温が低い→サーモスタット不良
湯圧が低い→ポンプ不良、三方向バルブ不良
湯温サーフィン→水位センサ位置不良または汚れによるボイラー内水位の不良
スチーム力不足→水位センサ位置不良または汚れによるボイラー内水位の不良、あるいはプレッシャースタットの不良
ざっくり言うとこんな感じだと思うんですよ。

なんら解決するための手段を提示しているわけでは無いのだけど、何が悪いとどう影響が出るかというのがわからないと、問題を解決しようが無いわけで。まずは不調となっている現象について、それぞれ何が原因かを考えてみましょうと言うこと。
そしてこの方法で悪いところを探るには、ちょっとだけ手順が必要になる。
ひとつは、再現性がある不良であること。
もうひとつは、ひとつのパラメータだけを動かして検証すること。
たとえば、水位センサの汚れを疑う場合は、まずそのままの状態でどうであるかを確認して、水位センサの汚れを取ってみて(ほかの条件はすべて同じで)結果を確認してみる。そのときに何か変化があればこれが影響をしていたのだとわかる、ということ。
(何も変わらなければ、原因では無かったということだね)
さて、これはいろんな時に応用できる方法でありまして。
たとえばエスプレッソの抽出。
簡単な例で、抽出したエスプレッソがシャバってるとする。
この場合、メッシュを細かくするかドースを増やすか、あるいはタンピングを強くするということも考えられる。しかし、全部をいっぺんにやってしまうと、結果としてトロっとしたエスプレッソが出たとしても、それは偶然であり最適な方法ではないということだ。
メッシュをひと目盛り細かくしたらどれだけ変わるかというのは、ドース量とタンピング圧は同じでなければならないし、ドースを0.5グラム増やしたらどれだけ変わるかというのはメッシュとタンピング圧は同じでないといけない。
ね、動かすパラメータはひとつじゃないとダメなんだ。
そしてこの方法の本当の利点は、この方法を何度も繰り返した後にやってくる。
むしろ、この後からやってくるメリットのためにこの方法をとるんだと言ってもいい。

熟練するとパラメータの掛け算ができるようになる

これは何かと言うと、さっきの例えで言うと、マシンの不調に対して「コレが原因でこっちにも影響があるからこーなってるっぽいな」とか、エスプレッソの調整が「メッシュがこのくらい、ドースがこのくらいで最適になりそうだ」とか、複数のパラメータを掛け算して結果を予想しやすくなるのだ。
それが出来るようになるためには、まず個々の原因が及ぼす影響を切り分けて繰り返し検証すること、これが大事。
急がば回れ、だね。


Published in タメになること

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