タンパーの使い方、じゃなくて、タンパーの扱い方。
バリスタとしてお仕事するときに、あるいはおうちバリスタになるために、必要なのがタンパー。仕事の場合、お店のヤツを使うという人ももちろんいるだろうけど、自分好みの使いやすいマイタンパーを使うと抽出のクオリティもアップするよね(たぶん)。
で、いろんなところで触らせてもらったり、ネットで情報を集めたりして、お気に入りのタンパーを買いました、と。
買ったあと、どう扱ってる? という話。
タンパーを買うと、大抵はビニールに包まれて紙の箱に入っている。それを開梱して、ご対面して最初にすることは、まず撫で回してニヤニヤすることなわけですが、まあそれはやってもやらなくてもどっちでもいいです。
新品のタンパーだから、傷が入っていることは無いと思う。思うけど一応確認。もしかしたら、ってことがあるからね。もちろん、傷があれば買ったところに言って交換してもらおう。
傷が無いことを確認したら、念のため、脱脂を兼ねて食器用洗剤でよく洗う。口に入れるものに触れる道具だから、洗っとこう。キレイに見えてもタンパーには何が付着しているかわからない。ベースとハンドルが分離できるセパレートタイプだと、ネジ部には油がうっすら塗ってあることがある。製造中、それを触った手でベースに触れているとしたら、ベースに油が付着しているはず。コーヒーに触れる部分に機械油が付いてるのは気持ち悪いので、やっぱり一回はちゃんと洗いたい。
さて、キレイになったタンパーを、やっと使うわけだけど、基本は三つ。
1.傷をつけない
2.汚さない
3.濡らさない
これ、僕がいつも使ってるタンパー。
黒いタオルの上に置いてあるけど、ここが定位置で、決してカウンター上に直接置くことは無い。下のタオルを換えたり、タンパーを移動したいときは、移動する先に何か敷物を置いてからタンパーを置く。
タンパーを硬いものの上に直接置くことをやめれば、ベースに傷が付く可能性を限りなく低くすることができる。
これ、人工スウェードの生地で出来てるサングラス用の携帯用の袋なんだけど、生地が丈夫だし、サングラスを入れるための袋だけあって、傷がつきにくいやわらかい素材なんだ。これにタンパーを入れとくと非常に具合がいい。
どっかでコーヒーを淹れるとき、大会に出るときなど、タンパーを持ち歩くときがある。そういうときに適当な小さいボール紙の箱かなんか、あるいはタッパーなどに入れると思うんだけど、そのときにタオルなんかで包んでいるよね(裸で突っ込むなんてのはダメよ)。移動中、振動でそのタオルが外れたら、あるいは到着してからタンパーを出すときにうっかりタオルから滑り落ちたら。そう、タンパーに傷が入るよね。それを防ぐ、ナイスなアイテムがサングラス入れの袋。
というわけで、ベースに傷をつけないようにしっかり保護しながら扱えば、タンピングもいつもスムースに!
と言いたいところだけど、あと二つ、敵がいる。それが汚れと水分。どっちも、バリスタの仕事場ではおなじみの登場人物だ。
まず汚れ。エスプレッソの跳ね、ミルクの跳ね、シロップや調味料が付着したり、いつも汚れる危険性がある。これは毎回拭くしかない。
みんなポルタフィルタをノックボックスに叩きつけたあと、バスケットを毎回拭くよね。でもタンパーって毎回拭く? いや、毎回じゃないにしても、一日に何回拭く?
濡らして硬く絞ったタオルできちんと拭いて、そのあと空拭きする。これを時々やれば、タンパーはいつもピカピカ。
次に水分。常に乾燥させとくに限る。濡れた手でタンパー握ってるなんて人はいないと思うけど(レベリングも濡れた手で、ってことになるからね)、タンパーってマシンのそばにあるからときどきスチームノズルのしずくがかかったり、ロングブラック作るときのお湯の跳ねがかかったりする。それをそのままにしちゃ良くない。
濡れてるとそこにコーヒーの粉が付着して、タンピングしたときに均質な面を作れない。濡らさないようにすること、濡れたら必ず拭くことが大事。
あとは、大事に使っててもだんだん細かい傷が付くものなので、年に何回か、磨き粉でヨーク磨こう。ピカールという金属磨きが有名だけど、台所にあるクレンザーでもいいし、車用の傷消しコンパウンドなんかも同じようなもの。ただし、どれを使っても磨いた後に食器用洗剤でよく洗浄すること。
そうすれば、毎回のタンピングで気持ちよくまるで新品のようなタンパーを使うことができる。もちろん、タンピングのクオリティがあがること間違いナシ!(たぶんプラセボ!)
タンパーの扱い方
Published in エスプレッソ技術
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